「関口宏のもう一度!近現代史」

〈2022年も暗い日々を・・・〉

「パンデミックは続くよ どこまでも」コロナに加え、暴虐プーチンによるロシア軍ウクライナ侵攻、更には「天災は忘れた頃にやってくる」地震と、2022年も、更に辛い日々が過ぎて行っているような気がするのは私だけだろうか。

〈テレビっ子ではないつもりだけど・・・〉

そんな中、多少なりとも私の心を安らかにしてくれているのは、月曜~金曜の「水戸黄門」再放送と土曜の「関口宏のもう一度!近現代史」である。どちらもBS-TBSだ。後者の「近現代史」は、昼に放映されるので、録画し、診療の終わった土曜午後~夕方の時間帯に観ることが多い(至福の時間)。こういう週末の過ごし方で2年半が経過した。大好きだったこの番組も、終戦後の昭和27年(1952年)のサンフランシスコ平和条約発効→日本独立で終了した。2.5年×約50週/年で百数十回録画したままで、我が家のテレビの容量は限界量に近づいている(実を言うと地上波、やはりTBSの「世界遺産」も毎週録画して消去していないため、こちらの録画量も大きい)。両番組ともいつか「復習」するつもり(!?)で消去できないでいるのだ。

〈年齢に見えない保坂正康先生〉

「関口宏のもう一度!近現代史」の面白さは、なんと言っても、当時の実画像(当然ほとんどモノクロだが)が生々しく観られることだ。中学高校で教科書や参考書でせいぜい写真でしか見たことのない当時の有様が動く画像として観賞できる。楽しかったものに、当時の流行歌などの鑑賞がある。更に興味深いものとして、実年齢よりはるかに若く見える保坂正康氏の碩学らしい歴史的分析、そして書籍では触れることのなさそうな数々の史的エピソードの披露がよかったなぁ。

〈77年×2〉

最終回に、保坂正康氏が、ハッとすることを教えてくれた。明治維新(1868)から太平洋戦争終戦(1945)までが77年(⬅近代史)、そして、その終戦から今年(2022)までも77年(⬅現代史)だと。確かに、年号的には、明治→大正→昭和と昭和→平成→令和と(最後の令和はまだ4年だが)三年号ずつと拮抗している。対外戦争のなかった、あのチョンマゲの江戸時代から明治維新の激変~第二次世界大戦終結という長きと、終戦~今が同じ77年間だと、初めて認識した次第である。う~ん、実感としては、まさに「歴史」である前者のほうが長いように感じるのはなぜだろう。前者は、4度の対外戦争(日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦(日中戦争を含む))を含んでいるからであろうか。後者は、平和憲法の下、まさに全国民「平和ボケ」と揶揄されるほど、戦争のない77年だからだろうか(東日本大震災などの大災害はちょくちょくあったけど)。

〈学校の歴史教育がやっと改善されるか〉

思い返せば、中学・高校時代に近現代史を深く勉強した経験が乏しいような気がする。特に、高校の時の世界史は、最初のギリシャ・ローマ当たりはじっくり勉強し、フランス革命あたりも結構細部まで覚えた。しかし、19世紀、20世紀となると、時間が足りなくなって、やや駆け足で学習したような・・・。でも、歴史の中で最も重要なのは、古代や中世でなく近代・現代なのだと、後に成人し、社会人になっていくにつれて強く感じるようになったものだ。

今年の4月から、「歴史総合」という新科目が高校の必修となるらしい。これまで世界史と日本史に分かれていた歴史科目を、18世紀以降の近現代史として「総合」した形で学ぶという。非常に好ましいことで、この科目を履修する高校生たちは真摯に学んでほしいと思う(新しい科目だけに現場の先生方は大変だろうが)。

「関口宏のもう一度!近現代史」は、明治維新以降の日本を取り扱うものであったが、当然、時代とともに世界との関係がますます深まったため、多少なりとも世界史の一部も学習できたような感もある・・・。

 最後に保坂先生がおっしゃった「先達の残したものを選択し、後世に伝えていく」という言葉を深く重く受け止める次第である。

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