1955年、フランス空軍向けに腕時計を作っていた“VIXA”を率いていた、ステファン・ブーリエがアメリカの国民的ウオッチブランドTIMEX(タイメックス)とともにフランス時計製造の心臓部であるブザンソンに立ち上げたフレンチブランド、“KELTON(ケルトン)”。
62年には生産拡大のため同地に生産工場を建設、70年までに新たに7つの生産拠点を新設し、約3000人の従業を抱える一大企業へと成長。72年には400万本を販売するなど黄金期を迎えた。
その後操業を停止するも2016年にフランスのAs Conseil Group社が新たなオーナーとしてブランドを再生し、フレンチウオッチの伝統を現在に引き継いでいる。
そんなケルトンが日本に初上陸。タイメックスの輸入代理店を務めるウエニ貿易が同ブランドの輸入代理店も務める。
2022年4月16日(土)より日本国内で展開開始。初回コレクションのひとつとして、70年代から87年までの限られた期間に生産されたコレクション、“キャンパー”の復刻モデル2型を発売する。
キャンパーはベトナム戦争期に、米軍のためにタイメックスが開発したミリタリーウオッチをベースにした市販品。
ケルトンのブランドネームで販売されたキャンパーは、87年に同社工場が操業を止めるまでの数年間しか生産されず、しかもフランス国内向けにのみ出荷されたため幻のモデルとして知られている。
ミリタリーウオッチが出自ゆえ汎用性と堅牢性に優れた当時のキャンパーは手巻き式。これまで35年間以上、同じ仕様で復刻されたことはなかったが、今回のフランス国外初デビューをきっかけに、日本だけの特別仕様としてこの幻の逸品が復活を果たす。
今回の復刻では当時のオリジナルモデルと同じく手巻きムーヴメントを採用。戦地で活躍するため修理をしない前提で設計された、一体型成形のケースも再現した。
また裏ブタにはミリタリーウオッチの名残として、製造元であるケルトンのブランドネームや製造月年がフランス語で刻印。
手巻きムーヴメントはSeagull(シーガル)製の自動巻きムーヴをベースにしたものを使用している。
これらの仕様はタイメックスの復刻版キャンパーでは再現されていないため、その点でも価値のあるモデルと言えるだろう。
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