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加山雄三は70歳代の星

2009.11.29

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・・・・・・・河辺啓二の音楽論(2)

11月23日、東京・中野サンプラザの加山雄三withザ・ワイルドワンズコンサートツアー「湘南 海 物語 オヤジ達の伝説」に行って来た。一人で観る(聞く)のもナンなので、いつも一緒に外出する十歳年下の妻をやや強引に誘って行った。加山雄三が72歳と聞いて「親と同世代じゃ、ほとんど曲知らない」と言うので、コンサート1週間前に「加山雄三グレイテスト・ヒッツ」というCDを買い求め「予習」させておいた(コンサートに来て知らない曲ばかりだとつまらないものですよねぇ)。
観客は、予想どおり、平均年齢60歳代後半といったところか。中には杖をついてやっと歩行されるご老人もいた。妻がyoungestに近いほどであった(笑)。


〈私が初めて加山雄三を聞いた頃〉

加山雄三が映画デビューしたのが1960年の23歳時、歌手デビューしたのが翌61年らしい。私の記憶にあるのは、小学生だった1965年~66年の大ヒット曲「君といつまでも」だ。当時、レコード盤ならぬソノシート盤(赤色でペラペラの薄さのもの。若い人はわからないだろうな)で聞いていた。その頃、漫画雑誌の通信販売で一枚200円くらいでソノシート盤が購入でき、長兄の安物のポータブルレコードプレイヤーで聞いたものだ。カップリング曲は「夜空の星」だった。


〈幻のレコード大賞「君といつまでも」〉

1965年12月に映画『エレキの若大将』主題歌として発売された「君といつまでも」は350万枚の大ヒットになり、翌66年の第8回日本レコード大賞の大本命とされていたが、結局大賞は同曲に比べ売り上げ面で劣る橋幸夫の「霧氷」が受賞することとなり、「君といつまでも」は特別賞に留まった。このことについて、長兄から「加山雄三は、本職が歌手でなく俳優だから」落選したらしいと聞いたことを覚えている。


〈私にとって2度目の加山雄三ブーム〉

 特に加山雄三の映画も見ることもなく、中学、高校と進み、再度、加山雄三の曲を口ずさむようになったのは、大学一年生の二十歳ころだった。その頃、ベスト盤とともに、新作「海 その愛」のレコードを買い、何度も聞いた。楽譜本も買って、ヘタなりにギター弾き語りしたものだ。当時、社会でも加山雄三がちょっとしたブームだった。

 多くの方々はご存知だろうが、彼は、あのユーミンより、桑田佳祐より、ずっと前の時期から自ら作曲して自ら演奏して歌う、日本の「シンガーソングライター」の草分け的存在なのである。作曲者としての名前は「弾厚作」。


〈中年になって聞く(歌う)加山雄三〉

1989年、結婚し、医学部生として新生活に入った私だが、その頃大好きだったTV番組が日本テレビの「知ってるつもり?!」だった。非常に優れた番組で、歴史等いろんなジャンルで有名な人物を毎回ひとり採り上げていた。基本構成は、対象となる人物の再現VTRを見ながら出演者がコメントするというものであった。採り上げられる人物については、一般的に認知されている事柄以外の意外な一面にスポットを当てようとした構成を取っており、従来の既成の観点とはひと味違った観点で楽しめた。司会は関口宏で、加山雄三は、レギュラーパネラーのリーダー的な役割を果たしていた。杉原千畝など、番組放送当時、一般にはあまり知られていなかった人物の功績や活躍を取り上げることもあり、視聴者の中には、番組を観たことでそれらの人物の名前を知ったという者も多いという(恥ずかしながら、杉原千畝については、私もその一人)。

加山雄三の曲は歌いやすい。ご本人が歌いやすいように、キーを高くしていないし、音域も広くしていないからだ。だから、私は、彼のヒット曲をほとんどカラオケで歌える。私がカラオケで歌う邦楽といえば、加山雄三とタイガース等グループサウンズとアリスくらいかなぁ。


〈加山雄三は中年・老年の星だ!〉

 さて、コンサートに話を戻そう。72歳という御年なのに、声量に衰えは全くなかった。考えるに、サイモン&ガーファンクルが68歳、ポール・マッカトニー67歳、ミック・ジャガー66歳より、何歳も上なのだ。やはり、加山雄三はスーパースターだ。70歳過ぎても新曲をリリースしている。

コンサートの中では、「弟子」のワイルドワンズの曲は「思い出の渚」しか知らないとさかんに揶揄していたが、彼一流の可愛がっている弟分へのジョークだろう。
コンサートでは、以下のとおり、多くのヒット曲を披露してくれた。

加山雄三は、
「海 その愛」、「二人だけの海」、「ある日渚に」、「光進丸」、「夜空の星」、「蒼い星くず」、「夕陽は赤く」、「夜空を仰いで」、「お嫁においで」、「想い出の渚」、「君といつまでも」、「ぼくの妹に」、「サライ」、「旅人よ」、「恋は紅いバラ」など。
(私のよく知る曲で歌われなかったのは「霧雨の舗道」「白い砂の少女」「美しいヴィーナス」くらいかな)

加瀬邦彦とザ・ワイルドワンズは、
「白い水平線」、「愛するアニタ」、「青空のある限り」、「夕陽と共に」「思い出の渚」など。

更に、加山雄三が、次の洋楽を歌ったのは意外だったが、もともとプレスリーやビートルズの影響を受け、英語も堪能となれば、当然かと・・・。
SOMETHING(もちろん、ビートルズの曲)
AMAZING GRACE
MY WAY