・・・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の旅行記(2)
夏休みに、韓国のソウルに家族旅行をした。
韓国観光の魅力は「近い、安い、美味(うま)い」に尽きる。北海道や九州・沖縄等の国内旅行より安上がりで異国へ行ける。フライト所要時間もわずか2時間くらいで、欧米に行くのに比べ、ほとんど「あっという間」だ。
何と言っても、食べ物が、日本人、特に私には合っている。私は、「食」への執着が淡泊なほうなので、例えば海外赴任で食事がまずい国で住むことを強制されても大丈夫だろう。(医学生時代、アメリカに医学研修で夏休みに数週間滞在したときも、決して美味くはないアメリカの食事に順応していた。)しかし、「食」に拘る人は、合わない食事の毎日は苦痛だろう。現に、知り合いの中に、ハワイ旅行中全く食事が受け付けられなかった少年や、ロシア留学中合わない食事に耐えきれず予定より早く帰国した学生もいた。
今回も、必須コースの焼き肉カルビ、プルコギ、サムゲタン(参鶏湯)のほか、韓国風お粥、鱈スープ、そして市場の屋台ビビンバを食した。この屋台ビビンバは、現レートでわずか400円くらいだが、1万円のフランス料理より美味い(と私の舌は感じる)。デザートとしてはやはり市場のホットックだ。蜂蜜入りの揚げパンでたったの約60円だが、甘くて美味しい。さらにアルコールは、何と言ってもマッコリだ。今でこそ日本でもマッコリがメジャーになりつつあるが、6年前から私はマッコリのファンである。ただ、ビールは日本製に軍配が上がる。いくつかの韓国メーカーのビールを試したが、どれも、日本製ビールの味にはかなわなかった。
ソウル観光のよい点は、ホテルの受付や免税店店員のみならず、その辺の焼き肉屋のオバチャンも市場の露天商のオニイサンも、みな日本語が達者なので、言葉に苦労しないことだ。日本人観光客が主な収益源であるため、日本語をよく勉強している。ただ、最近は経済発展著しい中国からの観光客増加に伴い、相対的に日本語学習者より中国語学習者のほうが優勢となっているらしい。
日韓の仲は、今「竹島」問題で冷えていると思いきや、日本は、円高もあり「第二次韓流ブーム」となっている(第一次は「冬ソナ」のとき)。日本人も韓国人も、一般市民は、「竹島」問題は自分らに関係のない政治の話、と割り切っているというのが実情のようだ。まさに「政冷経熱」(政治関係が冷え込んでも、民間レベルの経済関係は活況を呈する)ということか。
ちなみに、私は、毎週日曜夜にNHKで放映されている「イ・サン」をかかさず観ている。こんなにも韓国ドラマにはまるのは、あの「チャングム」以来だ。現代版韓流ドラマには興味がないが、時代もののそれは好きだなぁ。とても面白いと思う。
(一方、日本では最後の時代劇「水戸黄門」が終わってしまう。寂しい限りだ。)
昔の韓流コスチュームを着た私の写真は上掲のとおり。