・・・・・・・・・・・・・東日本大震災(7)
業界を規制する原子力安全・保安院と振興する資源エネルギー庁が同じ経済産業省の組織という状態を放置してきたのは、「政・官・業」癒着の悪弊にほかならない。
今回の社稷を揺るがす大惨事に遭ってやっと保安院を経産省から分離する動きが出てきた。原子力安全行政の重要性・専門性に鑑みれば、(今回活躍の乏しかった)内閣府の原子力安全委員会と保安院を統合・一元化し、内閣府・各省庁から独立した強力な組織に早急に再編すべきだ。
その新組織が置かれる場所は、福島県内が最も適当だと考える。新組織発足後当面は、県庁所在地の福島市とし、放射能汚染収束後は、福島第1原発のなるべく近くの市町村に再配置するのがよい。
ほぼ半永久的に監視続けなければならない同原発の近くで、危機感を保持しつつ、今回の失策をいつまでも忘れず、我が国原子力平和利用の「メッカ」として、(事故後も原発推進の国が少なくない)世界にお手本を示してほしい。
故郷に帰れない原発周辺住民の心情と不安を思えば、新組織の福島への配置は再定住早期実現、地域の復興・発展に弾みをつけるものだと期待される。
東京一極集中解消の一助にもなる。福島・東京間が物理的に比較的近いこと、交通網の充実、更にITの発達により、新組織が東京になくとも、業務上の支障はほとんどないのでないだろうか。
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上記の内容を5月5日(木・こどもの日)に朝日新聞「声」に投稿したところ、翌週9日(月)に同紙担当者から連絡が来ました。若干の手直しを受け、11日(水)、同欄に掲載されました。この「福島県内に原子力安全行政組織を置く」というのは、連休中に思い付いたもので、我ながら妙案だと考えるのですが・・・。現実的には難しいでしょうが、朝日新聞に載せてもらったということは、全くの「砂上の楼閣」ではないのではないかと思います。現に、ある福島県の方が喜んでくれたと仄聞しました。