・・・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の政治・行政論(31)
私と同じ東大医学部OBで医師免許のみならず弁護士資格を持ち、新潟県知事に当選した米山隆一氏のことは、以前から注目していた。反原発姿勢(柏崎刈羽原発再稼働反対)であることにも好感を抱いていた。ところが、今回の買春(かいしゅん)の発覚(今は、悔悛・改悛していることだろう)。
独身だから大目に見てやってもいいではないかという意見もあるが、県知事という極めて重要な職にあるだけに批判は免れない。もちろん、他の全ての都道府県知事や国会議員が同様のことをしていないとは考えにくい。おそらくは、口の堅い、ハイクラスのプロフェッショナルの女性がお相手しているのでは・・・。米山氏のお相手がド素人の口の軽い若い女性だったことが、彼の人生を激変させることになった。(7年前、どこかの県の知事が知事公舎に不倫相手を連れ込んで問題になったが、いつの間にか騒がなくなってしまった。「浮気」に寛容な当該県の風土か?彼は今でも知事を続けている。)
「灘高→東大理Ⅲ現役合格→医師になった後に司法試験に合格し、弁護士活動も」(更には、東大大学院経済学研究科及び東大大学院医学系研究科修了、ハーバード大学附属病院勤務を経て東大より医学博士号取得。)という、今の日本においてこれ以上はないと思われるような学歴・経歴を歩んできた天才的頭脳を持ちながら、政治家としては、見事に落第点を付けられてしまった。残念なことだ。勉強ばかりして、女性とお付き合いすることも特にないまま、50歳になったのだろうか・・・。決して男前という程の容姿ではないが、体格もいいし、話し方もソフトで女に全然もてないようにも見えないのだが・・・。
米山氏が理系(+文系)超エリートなら、財務事務次官を辞職せざるを得なくなった福田淳一氏は、まさしく、日本社会における文系のトップエリートであったことは間違いない。「湘南高校→東大文Ⅰ現役合格→在学中に司法試験合格→東大法学部卒業後大蔵省入省→主計官→官房長→主計局長→財務事務次官」と、極めて典型的な霞が関トップ官僚の出世街道だ。昔から、東大法学部には、司法試験に受かっても法曹界に入らず、キャリア官僚になる者は少なからずいた。特に大蔵省(財務省)には珍しくなかった。私のいた農林水産省でさえ、私の先輩・後輩のキャリア事務官の中に若干名いたことを覚えている。
このような超優秀なオツムをお持ちで、我が国の国家予算・国家歳入(国税)・国有財産等霞が関全省庁を動かす権限や情報を握っている財務省の事務方トップでありながら、あの女性記者とのやり取りーセクハラ発言の愚劣さには呆れてしまう。彼には奥さんがいる。今まで自慢のお父さんだっただろうに・・・・。
農水省は、大蔵省に予算を握られ、政治家に対してと同様に頭が上がらなかった。このためか(トラウマ?)、拙著によく大蔵省・財務省の悪口を書いたものだが、ここでも言わせてもらおう。財務省よ、予算を握っているからといって図に乗るでない!こんな人が親分なのかい、襟を正して謙虚になれ!
記事一覧
米山隆一カイシュン、福田淳一セクハラ---日本最高頭脳の転落
2018.04.22