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「喫煙店」「禁煙店」に分けるべき

2017.01.29

・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の政治・行政論(27)
2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、厚生労働省は他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙防止策」として病院や学校などの公共施設だけでなく、飲食店についても、従来の「努力規定」を超えて罰則の伴う規制強化に踏み切る方針を打ち出した。
WHOによると、日本の受動喫煙防止策は世界最低レベルで、これまでのオリンピック開催国はすべて実施してきた施策だという。「ドリンカーやスモーカーに極めて甘い」我が国の悪しき伝統を見直すというわけである。
ガンばかりでなく脳卒中や心筋梗塞等の動脈硬化疾患を引き起こすタバコの害をとことん痛感する医師の立場としては、今回の方針は諸手を挙げて賛成したい。日本もやっと「健康先進国」の一員になれそうだと。
しかし、病院等公共施設の全面禁煙は当然として、飲食店などアルコールを出すお店で客足が遠のき売上げが減る、特に小規模店は分煙の設備コストが捻出困難だとして、関連業界は猛反発しているらしい。確かに、飲酒時に喫煙できないとなると、わざわざそんなお店に行こうとはしなくなる客が多いことだろう。要するに死活問題だ。
そこで、妥協案として、店内できちんとした分煙設備が設置困難な場合は、その店全体を「喫煙店」か「禁煙店」に完全に分断し、受動喫煙してもよいと思う客だけ「喫煙店」に入ればよい制度にするのはどうだろうか。もちろん、「喫煙店」か「禁煙店」かは、法施行前に役所に事前届出し、登録制とする。店の出入口に、そのどちらかを大きく表示する。「喫煙店」は、店のタバコの煙が店外に漏れないよう義務づける。「禁煙店」内で喫煙があったら厳しく罰する。
禁煙又は受動喫煙して自らの健康が害されることを認識して、「パロディー喫煙店」に入る人は自己責任として、それ以上の行政の関与は過剰干渉だろう。