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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(17)
〔初めてのナマリンゴ〕
以前にもリンゴ・スター来日コンサートがあることは知っていた。ポール・マッカートニーが来日する度に、殆ど「血湧き肉躍る」状態でチケット購入に奔走していたが、リンゴだとなると・・・。同じ元ビートルズで「生き残り」なのだが、その持ち歌ヒット曲の有名度や数の違いは歴然としており、コンサート会場だって、ポールは5万人収容の東京ドームに対して、リンゴは4千人弱収容のNHKホールだ。
今回、ちょうど10月の最終日曜日で、仕事は休みだし、「まぁ行ってみようか」くらいの気持ちでリンゴのコンサートを初めて観に(聴きに)行った。
〔開演時間に忠実なリンゴ・スター〕
16:15開場、17:00開演ということで、開演には十分間に合う時間に、渋谷・NHKホールに着いた。並ぶ客の中で、例によって周りを見渡すと、私と同年代か少し上の中高年男性が殆どで、ポールのときに散見した若めの人はいなかったような・・・。「イエスタデイ」「ヘイジュード」「レット・イット・ビー」のような若者も知る曲を作ったポールとは違うからか。
ほぼ17時ちょうどくらいに、ビートルズ時代の曲「Matchbox」からスタート。約2時間、私たちを楽しませてくれた。25曲も演奏してくれたが、ビートルズ時代のリンゴボーカル曲、ビートルズ解散後のリンゴソロ曲ばかりで2時間もたすとなるとちょっと退屈かなぁという心配は払拭された。もちろん、「Yellow Submarine」「With a Little Help From My Friends」などビートルズソングは8曲ほどやってくれた。なぜか、人気曲のはずの「Octopus Garden」がなかったのは残念。ソロ時代のヒット曲「It Don't Come Easy(明日への願い)」「You’re Sixteen」「Back Off Boogaloo」なども歌ってくれた。
〔リンゴ・スター アンド ヒズ・オール・スター・バンド〕
ポールのコンサートがポール中心で(当然のことだが)、バックバンドはあくまでバックバンドだったのに比して、リンゴのバックバンドはなぜこんなにも全面に出てきて演奏やボーカルを披露するのだろうと「?」だった。しかも、みな演奏も歌もすごくうまい。(はっきり言って、リンゴが最も歌が下手なのだが、元ビートルズで最年長の主役ということで彼らに奉(たてまつ)られていたが。)
演奏される曲が、TOTOの「Rosanna」「Africa」やサンタナの「Black Magic Woman」など、私らの世代には嬉しい大ヒット曲ばかり。なぜリンゴ・スターバンドがこんなに「他人の」曲をうまく演奏するのだろうと思っていたが、コンサート後パンフレットを買って読んで初めて「謎が氷解」した。彼らは「バックバンド」ではなかった。50歳代後半~60歳代後半になっているが、みな大変実績のあるミュージシャンでTOTOやサンタナなどの元主要メンバーだと知った。何の「予習」もしないでコンサートに行ったことを少し後悔したことだ。だから「リンゴ・スター アンド ヒズ・オール・スター・バンド」というのだ。これまで何度かメンバーチェンジがあったらしいが、まさに「All Starr(Ringo Starrと合わせてrが2つある) Band」だ。
〔76歳、元気!〕
昨年4月、70歳代のポールを来日コンサートで観て「元気だなぁ」と感じたが、今回のリンゴも、ポールより2歳年上なのだが、とても若いと感じた。まず顔はポールより皺が少なく、スタイルも若いときのまま。歌声は、もともとキーの低い曲ばかりなので、これも50年前とあまり変わらず。感心したのは、頭上で手を叩きながら何度もジャンプするアクションを軽快に行っていたことだ。76歳にして、老いてますます盛んとはこのことだ。
ともあれ、また来日することがあれば、行ってみたいと思う。