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1発ツモで青の洞窟に入れた

2016.09.25

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の旅行記(5)

この夏、イタリアを旅することができた。
官僚時代末期の総務庁(現総務省)勤務だったとき、政府代表団の一員としてILO(国際労働機関)の会議に参加した。スイスのジュネーブに1か月近く滞在し、週末ごとに観光地に出掛けていて、そのうちの1回がイタリア・ローマ観光だった。ちょうど医学部再受験を決意し密かに受験勉強を開始して間もない頃だった。数学や物理の受験本をトランクに入れてジュネーブ入りしたものの、一度も開けることがなかった。なにしろ生まれて初めての海外だったから。ということで、ほぼ30年ぶりのイタリアである。
ミラノから入り、ベネツィア(ベニス)、フィレンツェ、ローマと約1週間かけてパックの観光ツアーだ。途中、フィレンツェでのオプショナルツアーでピサの斜塔を半日観光した。観光客でごった返すピサでは周りに多くの日本語を聞き、いかに日本人にイタリア観光者が多いか、いかに日本人がイタリア好きかを感じたものだ。
ローマでの最終日、やはりオプショナルツアーでカプリ島一日観光に参加した。朝7時に「マイバス」でローマを出発し3時間半かけてナポリに到着。船に乗って小1時間でカプリ島へ。そこの港からモーターボートで青の洞窟(Grotta Azzurra)の手前まで行き、更に手漕ぎ小船に乗り換えて洞窟に中に入って行く。このとき正午頃。洞窟の中は、ガイドブック等で見たとおり、誠に綺麗な青色の海、神秘的な雰囲気に包まれている。洞窟内では何艘もの小舟が廻っており、船頭達が大きな声でなにやらカンツォーネを歌っている。洞窟内の奥行きはたかだか50mだから、あっという間に1周が終わる。私達の乗る船の船頭は、チップを2倍払えばもう1周してくれると言う。もちろん話に乗ったが、この「営業」を船頭君は日本語で行った。イタリア人の営業努力は大したものだ。洞窟内で頑張って撮影したが、人物像は困難。やっとこのような写真を撮ることができた程度である。
無事、青の洞窟観光を終え、同島の港に戻って昼食やショッピングを済まし、ナポリ→ローマと帰ってきたが、出発地に着いたとき、午後7時半はとっくに過ぎていた。12時間強のカプリ島青の洞窟ツアーであった。実は、今回は幸運のスイスイツアーだったようだ。カプリ島の港でモーターボートに乗り換えるにもたいそう待つことがあるらしいし、更に、青の洞窟手前でずいぶん待たされた気がしたが、私達の待ち時間はまだいいほうらしい。そして何より、青の洞窟内に入れたことが僥倖だった。何しろ入り口(の穴)が狭く、私達乗客は頭と身体を船底に沈めないと頭部を岩にぶつけてしまう。天候がよくても、波が高いと進入不可能となるらしい。後日、帰国してイタリアによく行く人の話を聞くと、進入可能性の最も高い8月に5回行って入れたのは2回だけだと。1回めの「トライ」で成功するとはとてもラッキーなのだ。