・・・・・・・・・・・・・河辺啓二のTVドラマ論(7)
前回シリーズに引き続き、20%以上の高視聴率をたたき出している、テレビ朝日「ドクターx~外科医・大門未知子~」。確かにおもしろいが、最近やり過ぎの感が否めない。
何年か前なので第1シリーズのことは正確には覚えていないが、当初は、いわゆる「外科」、つまり消化器外科だったと思う。しかし、最近の大門未知子は、腹部の消化器外科はもちろん、脳外科、呼吸器外科、心臓外科、泌尿器科、産婦人科、整形外科、更には獣医の手術までこなしている。甲状腺の手術もあったが、専門は耳鼻咽喉科・頭頚部外科のはずだ。そのうち眼科の手術もやってしまうかも。
眼の手術までやっていたブラック・ジャックを思い出す。そういえば「Dr.コトー」も広範囲の手術していたなぁ。まぁ、ブラック・ジャックは典型的な漫画だったし、Dr.コトーは離島で他に医者がいないから何の手術でもやっていたと思えば、百歩譲ってOKとしよう。
でも、大門は、大病院にいて、周りに細分化された専門外科医が多数いるはずだ。その専門外科医より、あらゆる分野で大門のほうが手術がうまいというのは、余りにもムリがある話だ。その点、「医龍」は、おおむね心臓外科だけを扱っており、まともだった。
私が危惧するのは、全くの医療素人が、外科医はいろんな手術ができるんだというとんでもない誤解をしてしまうのではないかということだ。実際に、そう思っている人がいるようである。まぁ、テレビドラマだから、私みたいにクソ真面目に考える人間はいないかな(笑)。
〔追記〕
昔の少年時代、タイガースが好きだった私としては、(主役の米倉涼子の美脚には興味ないが)袢纏着て茫洋とした演技をする岸部一徳に大いに興味をそそられる。彼は、元々、ベースギターの名手なのだ。