・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の社会論(16)
眼の網膜組織の再生手術に成功するなど、iPS細胞の臨床応用がいよいよ本格化する一方で、今年の初め、日本中(海外も)沸かせたあのSTAP細胞のほうは「敗色濃厚」となっている。先月には、一時は「シンデレラガール」だった小保方晴子氏を指導する直属の上司である笹井芳樹氏が52歳で自ら命を絶った。36歳の若さで京都大教授となるなど大秀才で日本を代表する医学者だった。同じような研究分野で、同じ京大の山中教授がiPS細胞でノーベル賞受賞に輝いたことへの焦燥がSTAP先走りの結果となったと勘ぐられても仕方ないかもしれない。山中氏は神戸大医学部卒、笹井氏は京都大医学部卒なので自分のほうが京大「生え抜き」なのにという心理もあったかもしれない。
秀才は打たれ弱い、ともいうが、そもそも、自殺するのは女性より男性が多いのではないかと思い、ネットで調べてみた。
すると、ほとんどの国で女性自殺率より男性自殺率のほうが高いことがわかった。標記の表は、男女合計自殺率の高い国の1位~10位(98国中)だ。残念ながら日本は、堂々6位にランクインされている。ただ、男性自殺率が女性のそれの2.6倍もあり、しかも、その「男女格差」は、世界の中では(特に旧ソ連・旧共産圏諸国に比して)決して大きいほうではないことに驚いた。
要するに、ほとんどの国、民族においてメスよりオスは精神的に脆弱であるということだ。肉体的には、女性は男性より強いとはわかっていた(筋力や運動能力は別もの)。なにしろ生物体の再生産が可能なのはメスだし、無限に近い精子の数と有限数の卵子に鑑みれば、オスは少々死んでもメスが生き残るほうが「種の保存」には重要なのだ。神は、メスの生命力をオスより逞しくつくり給われたのだ。だから女性のほうが男性より寿命が長いのである。
肉体と精神はリンクしているのか、オンナはオトコより肉体だけでなく精神も強靱につくられている。