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ネットの「悪」から子供を守るのは大人の役目

2014.06.28

・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の社会論(15)

最近殺害された熊本の女子高校生は、ネット社会の犠牲者だと思う。もし、数十年前の社会に彼女が高校生だったら、絶対に殺されたりしなかっただろう。今回のような最悪の結末を迎えるほどでなくても、ネットがらみの犯罪や事件は、後を絶たない。
たしかに、パソコン、ケータイ、ネットは、私たちの生活を便利にしてくれたことは否めない。図書館に行かなくてもほとんどのことが瞬時にして調べられるし、メールの迅速性・保存性は手紙・電話をはるかに凌駕するものだ。
しかし、今回の悲しい事件は、このあまりに簡便性をもたらしたIT社会が負の側面を持つことの警鐘でもある。
ネットの中は、ある者にとっては莫大な情報という宝の山かもしれないが、闇の犯罪者たちが跋扈する魑魅魍魎の世界でもある。十歳代の子供たちにとって、このような危険性を孕む世界はまだ見ぬ世界だけに興味津々だろうし、彼らの情報の取捨選択の能力は未熟であることは否定できない。
昔のように、同じ学校の中か通学時の電車内くらいしか異性と知り合う機会のなかった時代と異なり、無限に近い人間と簡単に知り合いになってしまうネットは、若い生徒たちにとってエキサイティングなものであるに違いない。あの熊本の女高生だって、どこにでもいる真面目な普通の女の子ではなかっただろうか。そんな子でさえネットの魅力に引き込まれてしまったのだ。
保護者と学校は、ネットの功罪をよく斟酌し、負の側面を重要視し、未熟な子供たちが犯罪や事件に巻き込まれないよう、子供たちに厭わられようとも「楯」となるべきである。