2012.08.04
・・・・・・・・・・・・・河辺啓二のスポーツ論(4)
柔道男子66㌔級準々決勝での海老沼選手の旗判定変更や、体操男子団体決勝の順位変更など、今回のロンドンオリンピックでは一度発表された試合判定が覆されることが度々起きています。もちろん、審判員の権威保持に固執するあまり、一度判定したものは何が起きても絶対に変えないという姿勢も困ります。真実が確認されれば過ちを改めるということは大変よいことだと思います。しかしながら、審判団から、なぜこのように変更されたのかという明確な理由がほとんど発表されないことに強い違和感を抱いております。
たとえば、我が国の大相撲では、「物言い」が起きたとき、審判長から審議結果について説明が行われています。ところが、世界の檜舞台のオリンピックだというのに、何の釈明コメントも発表されずに(電光掲示板などで)判定の変更が行われています。報道するテレビでは専門家が憶測に基づく説明がなされるに過ぎません。特に今回の開催地は英語の本場であるし、その場で英語で(変更理由が)説明されれば、瞬時に世界の多くの視聴者に理解してもらえるのではないでしょうか。
気の毒なのは、判定変更により、順位下降してメダル圏外となる選手たちです。一度喜ばしておきながら失望、落胆させるのはとても酷です。彼らに対しても、審判団は謝罪のコメントをしてもらいたいものです。