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全米シングルNo.1獲得曲数トップのアーチストは?

2015.08.02

・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(13)

最近、新聞でマライア・キャリーのベストアルバム「♯1インフィニティ」が発売されたという一面全面広告を見た。全米ナンバーワンが18曲もあり、ビートルズの20曲に次ぎ、エルビス・プレスリーに並ぶとか。ヒット曲の評価にされるのは、Billboard Hot100だ。そういえば、今年1月来日したダイアナ・ロスも似たようなことが喧伝されていた。そこで、ネットで真相を知るべく調べてみた。
●全米1位獲得曲数(Billboard)
1位20曲 The Beatles
2位18曲Mariah Carey、Elvis Presley
4位13曲Michael Jackson、Rihanna
6位12曲Madonna、The Supremes
8位11曲Whitney Houston
9位10曲Janet Jackson、 Stevie Wonder
11位9曲Bee Gees、Elton John、Paul McCartney/Wings、Usher、Katy Perry
16位8曲George Michael、The Rolling Stones
18位7曲Phil Collins
19位6曲Diana Ross、Daryl Hall and John Oates、Paula Abdul、Bruno Mars

○MARIAH CAREY 18曲
1. “Vision of Love” (4 weeks, 1990)
2. “Love Takes Time” (3 weeks, 1990)
3. “Someday” (MTV Unplugged version) (2 weeks, 1991)
4. “I Don’t Wanna Cry” (2 weeks, 1991)
5. “Emotions” (3 weeks, 1991)
6. “I’ll Be There” (featuring Trey Lorenz) (2 weeks, 1992)
7. “Dreamlover” (8 weeks, 1993)
8. “Hero” (4 weeks, 1993)
9. “Fantasy” (Bad Boy Fantasy featuring O.D.B.) (8 weeks, 1995)
10. “One Sweet Day” (featuring Boyz II Men) (16 weeks,1995-1996)
11. “Always Be My Baby” (2 weeks, 1996)
12. “Honey” (3 weeks, 1997)
13. “My All” (1 week, 1998)
14. “Heartbreaker” (featuring Jay-Z) (2 weeks, 1999)
15. “Thank God I Found You” (featuring Joe & 98 Degrees) (1 week, 2000)
16. “We Belong Together” (14 weeks, 2005)
17. “Don’t Forget About Us” (2 weeks, 2005)
18. “Touch My Body” (2 weeks, 2008)

○ELVIS PRESLEY 18曲
ナンバー1ヒットは全18曲、合計80週間である。曲数はビートルズに次ぐ歴代2位である。週間数に関しては歴代1位である。ちなみに2位はマライア・キャリーの79週。(ビルボードに準拠)
1.ハートブレイク・ホテル (Heartbreak Hotel) 1956年 8週間連続1位
2.アイ・ウォント・ユー、アイ・ニード・ユー、アイ・ラヴ・ユー (I Want You,I Need You,I Love You) 1956年 1週間1位
3.ハウンド・ドッグ (Hound Dog) 1956年 11週間連続1位
4.冷たくしないで (Don’t Be Cruel) 1956年 11週間連続1位
5.ラヴ・ミー・テンダー (Love Me Tender) 1956年 5週間連続1位
6.トゥー・マッチ (Too Much) 1957年 3週間連続1位
7.恋にしびれて (All Shook Up) 1957年 9週間連続1位
8.テディ・ベア (Teddy Bear) 1957年 7週間連続1位。エルヴィスは「なぜこんな曲が7週No.1になったのか」と疑問に思ったという
9.監獄ロック (Jailhouse Rock) 1957年 8週間連続1位
10.ドント (Don’t) 1957年 5週間連続1位
11.冷たい女 (Hard Headed Woman) 1958年 1週間1位
12.恋の大穴 (A Big Hunk o’ Love) 1959年 2週間連続1位
13.本命はお前だ (Stuck On You) 1960年 4週間連続1位
14.イッツ・ナウ・オア・ネバー (It’s Now or Never) 1960年 5週間連続1位
15.今夜はひとりかい? (Are You Lonesome Tonight?) 1960年 6週間連続1位
16.サレンダー (Surrender) 1960年 2週間連続1位
17.グット・ラック・チャーム (Good Luck Charm) 1961年 2週間連続1位
18.サスピシャス・マインド (Suspicious Minds) 1969年 1週間1位

○The SupremesとDiana Ross 、
ダイアナはシュープリームス時代に12曲、ソロとして6曲、計18曲のビルボード1位のヒットを放っている。これはザ・ビートルズの20曲に次ぐ史上2位の記録である。
〔シュープリームス時代〕
1.Where Did Our Love Go (1964)
2.Baby Love (1964)
3.Come See About Me (1964)
4.Stop! In the Name of Love (1965)
5.Back in My Arms Again (1965)
6.I Hear a Symphony (1965)
7.You Can't Hurry Love (1966)
8.You Keep Me Hangin' On (1966)
9.Love is Here and Now You're Gone (1967)
10.The Happening (1967)
11.Love Child (1968)
12.Someday We'll Be Together (1969)
〔ソロ時代〕
13.Ain't No Mountain High Enough (1970)
14.Touch Me in the Morning (1973)
15.Theme from Mahogany (Do You Know Where You're Going To) (1975)
16.Love Hangover (1976)
17.Upside Down (1980)
18.Endless Love (1981)
――――――――――――――――――――――――――――――
○The BEATLES 20曲
①She Loves You(1963)
②I Want to Hold Your Hand(1963)
③Love Me Do(1964)
④Can't Buy Me Love(1964)
⑤A Hard Day's Night(1964)
⑥I Feel Fine(1964)
⑦Eight Days a Week(1965)
⑧Ticket to Ride(1965)
⑨Help!(1965)
⑩Yesterday(1965)
⑪We Can Work It Out(1965)
⑫Paperback Writer(1966)
⑬Penny Lane(1967)
⑭All You Need Is Love(1967)
⑮Hello, Goodbye(1967)
⑯Hey Jude(1968)
⑰Get Back(1969)
⑱Something/Come Together(1969)
⑲Let It Be(1970)
⑳The Long and Winding Road(1970)

(これら超有名曲のほかにも、Please Please Me、From Me To You、Day tripper、Yellow Submarine、Eleanor Rigby、Lady Madonna、The Ballad of John and Yoko といったヒット曲は、全英など他のチャートでナンバーワンに輝いている)

○Paul McCartney/Wings 9曲
1.Uncle Albert/Admiral Halsey(Not Crossfaded)/Too Many People
Apple 1837(7") 1971年8月2日発売(米国)  英国未発売・米国1位
Paul McCartney & Wings
2.My Love/The Mess
Apple R5985(7") 1973年3月23日発売(英国)  英国9位・米国1位
Paul McCartney & Wings
3.Band On The Run/Nineteen Hundred And Eighty Five
Apple 1873(7") 1974年4月8日発売(米国)  英国未発売・米国1位
Wings
4.Listen To What The Man Said(Single Version)/Love In Song(Not Crossfaded)
Capitol R6006(7") 1975年5月16日発売(英国)  英国6位・米国1位
Wings
5.Silly Love Songs/Cook Of The House
Parlophone/Capitol R6014(7") 1976年4月30日発売(英国)  英国2位・米国1位
Wings
6.With A Little Luck/Backwards Traveller/Cuff Link
Parlophone R6019(7") 1978年3月23日発売(英国)  英国5位・米国1位
Paul McCartney
7.Coming Up/Coming Up(Live at Glasgow)/Lunch Box/Odd Sox
Parlophone R6035(7") 1980年4月11日発売(英国)  英国2位・米国1位
Paul McCartney & Wings
8.Ebony And Ivory/Rainclouds
Parlophone R6054(7") 1982年3月29日発売(英国)  英国1位・米国1位
Paul McCartney & Stevie Wonder
9.Say Say Say/Ode To A Koala Bear
Parlophone R6062(7") 1983年10月3日発売(英国)  英国2位・米国1位
Paul McCartney & Michael Jackson

さて、ソロアーチストという観点から、最大のヒットメーカーを「計算」して決めてみよう。
ビートルズ、ポール・マッカートニーを除いてみると、ソロのマライア・キャリーとプレスリーが18曲、ダイアナ・ロスは、ソロ時代最後の「エンドレスラブ」はライオネルリッチーとの完全デュエットだから0.5曲とし、計17.5曲ということにしよう。

同様に考えて、ビートルズ解散後のポールの「成績」は、ウィングスはポールのワンマンバンドだからウィングスの曲は完全ソロ扱いとし、スティービー・ワンダーやマイケル・ジャクソンとのデュエット曲は0.5曲としよう。したがって、7+0.5×2=8曲。
ビートルズ時代について「計算」してみよう。
〔Ⅰ〕上記ビートルズ№1曲の中で明らかにポール完全単独又はほぼ単独は、次の10曲としてよいだろう。
④Can't Buy Me Love、⑩Yesterday、⑪We Can Work It Out、⑫Paperback Writer、⑬Penny Lane、⑮Hello, Goodbye、⑯Hey Jude、⑰Get Back、⑲Let It Be、⑳The Long and Winding Road
〔Ⅱ〕ジョンとの共作&共演で0.5曲としてカウントできるのは、次の2曲で
0.5曲×2=1曲
①She Loves Youと②I Want to Hold Your Hand
〔Ⅲ〕
③Love Me Doは、リードボーカルはポール。「love love me do~」のコーラスの高いパートがポール、そして「love me do」の低い声のソロもポール、よって0.7曲。
⑦Eight Days a Weekは、ジョンの曲とばかり思っていた。だが、2013~2015年のポールのOUT THERE ツアーでオープニング曲にしばしば使われたことから、どうもこの曲にポールが大きく関与しているようだ。ポールソロボーカルの部分はないが、0.3曲カウントとしてよいだろう。よって0.7+0.3=1曲

以上のことから
8+10+1+1=20曲ということでどうだろうか。

ちなみに、ジョンを「計算」してみよう。
①She Loves You(0.5曲)、②I Want to Hold Your Hand(0.5)、③Love Me Do(0.3)、⑤A Hard Day's Night(1)⑥I Feel Fine(1)⑦Eight Days a Week(0.7)、⑧Ticket to Ride(1)、⑨Help!(1)、⑭All You Need Is Love(1)、⑱Come Together(1)
となり、合計8曲。ポールの12曲の3分の2となる。ただ、見逃さないでおくべきは、
ポールにはyesterdayなど、作曲もボーカルも100%単独の曲があるが、ジョン主体の曲は、すべて、ポールの(甲高い)バックコーラス(A Hard Day's Nightでは、重要な「When I am home~」のソロパートをポールが務めるなど)やベース演奏に支えられていることである。ビートルズ時代、ポール対ジョンが12曲対8曲として、ソロになると、格段の差が生じる。上記計算でポール8曲だが、ジョンは、次の2曲しかない。
(Just Like) Starting Over
Whatever Gets You Thru The Night
最大の代表曲Imagineはビルボードでは3位どまりだった。

さて、最終結論。
音楽の良さは別にヒットしたから良いと言うものでもなし、ビルボード1位が最高の名曲だと断言もできない(他にもキャッシュボックス(今はない)や全英などある)。
と認識した上で、河辺啓二版ヒットメーカーアーチストランキングは、以下のとおりとなる。
第1位 ポール・マッカートニー 20曲
第2位 エルビス・プレスリー、マライア・キャリー 18曲
第4位 ダイアナ・ロス 17.5曲

Paul McCartney日本武道館公演

2015.05.10

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(12)

昨年の、あの悪夢のようなポール急病で公演中止から1年、ポールがリベンジに来てくれた。今年6月に御年73ということを思うと、今回こそ最後の来日コンサートかなぁと、厳しいチケット争奪戦を経てナマPAULを見に行った。
全盛期の20歳代、30歳代と同じ高音発声というのは難しく、ややかすれ声のときもあるものの、有名になった、「水飲まずコンサート」を2時間40分・37曲を見事に完遂した。こんなに長時間、沢山のヒット曲を披露できるアーチストがほかにいるだろうか。
東京ドームでは、私たち中高年ばかりでなく、20歳くらいの若い観客も結構いたので驚いた。おそらく、私ら世代の親の影響を受けた若者たちだろう。日本武道館は、チケット高価格のためか観客の平均年齢はだいぶ上がっているように見えた(若者はそんなにカネがない)。
日本武道館公演の開演予定時間は6時30分であったが、野外の行列で長時間待たされ、スタートしたのはなんと7時55分。東京ドームでは30分くらいの遅れだったのに、1時間半も遅れた。私が今まで行ったコンサートで、最大の遅れは、何年前だったか忘れたが、ローリング・ストーンズの東京ドーム公演で約1時間だった。このとき、観客の誰も怒っていなかったが、今回も誰も怒っているように見えず、ファンというのは気長なものだとつくづく感じたものだ。(ふつう、人との待ち合わせで1時間半も待たされたら憤慨するはず)
さて、8時近くなって始まったポールの武道館公演。(ビートルズのときから49年ぶり、半世紀ぶりと、新聞、テレビのメディアが翌朝一斉に報道されることとなる)
どのくらいの時間、曲数をやってくれるのだろう。まさか1966年のときの30分、11曲なんてことはないようなぁ。あのときの曲を多数してくれるのかな。東京ドームのときと異なる曲を演奏するという噂だが・・・。
以下がセットリスト。

1.Can't Buy Me Love (The Beatles song)
東京ドームでも3曲目くらいに披露されたが、オープニングに持ってきた。翌日のテレビでもこのときの演奏が何度も放映された。
2.Save Us(ソロ・最新アルバム「NEW」より)
私としてはアルバム「NEW」の中では最もお気に入り。曲「NEW」よりいい。70歳もなってこんなノリのいい曲を作り歌えるPaulの才能に驚愕したものだ。
3.All My Loving (The Beatles song)
Johnをして「悔しいほどいい曲」と言わしめた曲。初期のPaul の「名曲メーカー」の始まりかな。私も、若い頃ヘタなギター弾き語りで唄っていたなぁ。
2、3は東京ドームでも序盤に演奏されていた。
4.One After 909 (The Beatles song)
遂に日本公演で初披露の曲が登場。ただ、ジョン・レノン主体の曲で、アルバム「Let It Be」収録曲。それ程の名曲でもないのだが初めて聞けると思いきや、この曲の演奏中、私の直前の客とその前の客がなぜか喧嘩を始めたので(係員が何人も来て沈静化させた)、集中して聞けなかった。みんな立ちっぱなしで身体を動かすので、ぶつかり合ったのかしら。いずれにしても10万円も払ったコンサートで喧嘩とは・・・。
5.Let Me Roll It (Wings song)
ヒット曲でもないのに、なぜかポールのお気に入りで昔からコンサートの「必須曲」。この曲が好きな客も多くはなさそう。ソロ時代の曲をやりたいのなら「My Love」とか「Silly Love Song」とか大ヒット曲が沢山あるはずなのに。
6.Paperback Writer (The Beatles song)
やっと1966年武道館の演奏曲登場。ただ、この曲は東京ドームでも毎回披露されている。
7.My Valentine(ソロ)
現夫人のナンシーに捧げる歌ということで必ずやる曲。「NEW」の次に新しい2012年のアルバム「KISSES ON THE BOTTOM」の曲。東京ドームでは巨大スクリーンで歌詞内容が「手話」表現されていた。
8.Nineteen Hundred and Eighty-Five「1985年」 (Wings song)
Out There Tourで一昨年も今回も演奏されている。ポールソロで最高傑作とされる「Band on the Run」(全英、全米ともに1位)のラストを飾る曲。同アルバム収録曲はたったの9曲なのに、ここ数年のコンサートではそのうちなんと5曲(この曲と「バンド・オン・ザ・ラン」、「ジェット」、「レット・ミー・ロール・イット」、「ミセス・ヴァンデビルト」)が演奏されている。個人的にはこの「1985年」よりMrs Vandebiltのほうが楽しくノリがいいので聞きたかったなぁ(他国でのコンサートでは披露されている)。
9.Maybe I'm Amazed「恋することのもどかしさ」(ソロ)
いつもは7から始まるピアノ曲連続4曲のはずが、なんと名曲中の名曲「The Long and Winding Road 」が飛ばされてしまった。イヤな予感。一昨年も今回も東京ドームで必ず演奏するこの素晴らしい曲をやらないなんて・・・。曲順を変えて後でやるのかなぁ。それとも東京ドームのときより短縮コンサートになってしまうのか(後者が当たり)。
この曲は最初の夫人リンダに捧げる曲で、ビートルズ解散後初のソロアルバム「Paul McCartney」に収められ、音楽専門家には「名曲」と言われているが、私にはそのよさがイマイチわからない。
10.I've Just Seen a Face (The Beatles song)
ビートルズ「HELP」のアルバムの中で後にビートルズの大代表曲となる「Yesterday」の直前にちょこんと収録されている小曲だが、やはりポールのお気に入りか、ウィングス時代からコンサートでよく演奏されているらしい。
11.Another Day(ソロ)
ビートルズ解散後初のシングル盤。中学3年頃から洋楽に目覚めた私は、殆ど同時にヒットしていたジョン の「MOTHER」とよく聞き比べていた。最初のうちは「マザー」に飛びついていたが、次第にこのメロディアスな「アナザーデイ」のほうが好きになっていた。
12.Dance Tonight (ソロ)
2曲目の日本初披露曲。比較的新しい曲で、2007年のソロアルバム「MEMORY ALMOST FULL」のトップに収録されてあり、いちおうシングルヒットしている。
13.We Can Work It Out 「恋を抱きしめよう」(The Beatles song)
いつもやってくれる曲でポールメイン。シングル盤両A面でこの曲とカップリングの「Day Tripper」(こちらはややジョンメインの印象)は、ドームでは毎回アンコールで演奏してくれたが、武道館ではやらず。1966年の演奏曲なのだが。
14.And I Love Her (The Beatles song)
まぁ、初期のビートルズ・ポールの美しきバラードの代表曲と言っていいだろう。映画「ハードデイズナイト」に中での演奏シーンが思い出される。
15.Blackbird (The Beatles song)
ヒット曲ではないが、最近のコンサートでの定番。一昨年は、作曲の動機となった「黒人の人権擁護問題」に言及してから歌い始めていたものだが、今回はそういう紹介は一切なかった。いつも同じ話で飽きちゃった?
16.New(ソロ・最新アルバム「NEW」より)
アルバム「NEW」の曲は、一昨年は4曲、今年の東京ドームは3曲(代わりに最新曲「Hope For The Future」)、そして曲数の少ない武道館では2曲となった。
17.Lady Madonna (The Beatles song)
 ビートルズ時代中期頃から、ポールの曲にピアノ演奏が増えて行く。後に「ヘイ・ジュード」、「レット・イット・ビー」など大ヒットピアノ曲の先駆けとなるナンバーワンヒット曲がこれである。
18.Another Girl (The Beatles song) 
「セカイハツコウカイ」とポールが日本語で紹介。「ん、いったい何だろう」と思っていたら、このほぼ無名の曲だった。アルバム「HELP」収録曲。たしかに世界初披露らしい。う~ん、どうせ初公開なら、もうちょっといい曲がいっぱいあるはず・・・。
19.Got to Get You into My Life (The Beatles song)
久しぶりの披露らしい。アース、ウィンド&ファイア(EWF)がカバーしてヒットしたので、知っている人は結構多いかも。
20.Being for the Benefit of Mr. Kite! (The Beatles song)
ビートルズ時代の曲なら、ほかにポールがリードボーカルの、「Michelle」とか「Penny Lane」とか有名曲が多数あるのに、なぜかジョンの、しかもさほど有名でない曲が演奏されている。「Eight Days A Week」も(「One After 909」も)そうだが。
21.Ob-La-Di, Ob-La-Da (The Beatles song)
世界的なヒット曲ではないが、日本ではホワイトアルバムからシングルカットされていて、テレビCMで使われるなど、日本人には馴染み深い曲だ。「イッショニウタオウヨ」とポールが日本語で誘い、「オブラディオブラダ・・・」と1万人の大合唱(東京ドームでは5万人)で会場は盛り上がっていく。
イントロが強烈なピアノ音だからピアノ伴奏で歌うのかと思いきや、ポールはベース演奏。ピアノの音はバンドメンバーが。そう言えば、レコーディングでは、ジョンがピアノを弾いて、ポールがなかなかOKを出さず、最後にジョンがヤケクソにピアノを叩いたテイクがOKとなったというエピソードが思い出された。
22.Back in the U.S.S.R. (The Beatles song)
連続で「ホワイトアルバム」の曲。同アルバムのトップの曲でまさにノリノリの曲で観客はヒートアップ。
23.Let It Be (The Beatles song)
ここで、「Yesterday」と双璧で日本人に愛される、ピアノの大名曲で観客の心を揺さぶる。
もうこのへんになると、あぁ、いつもの「The Long and Winding Road」ばかりか、「Band on the Run」も「Eleanor Rigby」も今日はやらないんだなと諦めがつく。
24.Live and Let Die (Wings song)
東京ドームでもどこでも、コンサートで「爆発」を伴う定番中の定番になった007の音楽だ。ドームならともかく、(それより)はるかに狭い武道館でいつもの「爆発」やるのかしらと思っていたら、いつものとおり、サビの「リヴァレットダイ・・・」のところで「バーン」で爆発、炎、煙が・・・。(きっと消防署の許可をもらっているはず)
25.Hey Jude (The Beatles song)
いよいよコンサート本編ラスト。いつもの大合唱。ポール自身、コンサートで演奏するに最も好きな曲だとか。実際2012年のロンドンオリンピック開会式で「ナナナ・・・」と大合唱となったのはまだ記憶に新しい。いつも、女性、男性と分けて合唱させる箇所があるが、今年は「ジョシ」「ダンシ」という日本語で分けさせたのが印象的だ。

Encore:
26.Yesterday (The Beatles song)
まぁ、この曲をしないでコンサート終了というわけにはいかないだろう。これで、1966年の演奏曲やっと2つめ。
27.Birthday (The Beatles song)
日本公演本編では初披露。「ホワイトアルバム」の2枚目アタマを飾るノリノリの曲だ。いつも最後のアビーロードB面最後メドレーの直前は「Helter Skelter」だったので、目新しい感あり。
最近のポールのコンサートでは、既述のとおりソロ時代ではアルバム「Band on the Run」の曲が目立つが、ビートルズ時代のアルバムからは「ホワイトアルバム」が目立つ。「バック・イン・ザ・USSR」「オブラディ・オブラダ」「ブラックバード」「ヘルタースケルター」とこの「バースデイ」と5曲もある。
28.Golden Slumbers (The Beatles song)
~Carry That Weight (The Beatles song)
~The End(The Beatles song)
いつもは2回あるアンコールは1回で終わった。
結局、一昨年も、今年のドームもブドーカンも、最後はこのメドレーで締めくくった。
1966年日本公演のシメの曲「アイム・ダウン」(個人的には大好きな曲)披露をちょっぴり期待したのだがなぁ・・・。

東京ドームの5.5倍の高価格チケットで、演奏曲数も演奏時間(7:55~9:55のちょうど2時間)も4分の3という日本武道館コンサートだった。いわゆる「場所代」「話題性」なのだろう・・・。
――――――――――――――――――――――――――――――
〔参考1〕
2015年ドーム基本セットリストにあって武道館では演奏されなかった曲:
Magical Mystery Tour、Jet、The Long and Winding Road、Hope For The Future、Here Today、Queenie Eye、All Together Now、Lovely Rita、Something、
Band on the Run、Eleanor Rigby、Day Tripper、Hi, Hi, Hi、I Saw Her Standing There、Helter Skelter

〔参考2〕
1966年 日本公演で演奏された曲一覧
1.Rock And Roll Music
2.She's A Woman
3.If I Needed Someone「恋をするなら」
4.Day Tripper
5.Baby's In Black
6.I Feel Fine
7.Yesterday
8.I Wanna Be Your Man「彼氏になりたい」
9.Nowhere Man「ひとりぼっちのあいつ」
10.Paperback Writer
11.I'm Down

〔参考3〕
<2015年ドーム4公演セットリストまとめ>
Magical Mystery Tour ※4/25はEight Days a Week
Save Us
Can't Buy Me Love ※4/25はAll My Loving
Jet ※4/27はListen to What the Man Said
Let Me Roll It
Paperback Writer
My Valentine
Nineteen Hundred and Eighty-Five
The Long and Winding Road
Maybe I'm Amazed
I've Just Seen a Face
We Can Work It Out
Another Day
Hope For The Future
And I Love Her
Blackbird
Here Today
New
Queenie Eye 
Lady Madonna
All Together Now
Lovely Rita
Eleanor Rigby
Being for the Benefit of Mr. Kite!
Something
Ob-La-Di, Ob-La-Da
Band on the Run
Back in the U.S.S.R.
Let It Be
Live and Let Die
Hey Jude

Day Tripper
Hi, Hi, Hi
I Saw Her Standing There ※4/25はCan't Buy Me Love

Yesterday
Helter Skelter
Golden Slumbers / Carry That Weight / The End

※2013年ツアーで演奏して今回演奏しなかった曲:
Things We Said Today、Everybody Out There、Get Back

ザ・フォーク・クルセダーズにはまる

2015.03.22

・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(11)

最近、ザ・フォーク・クルセダーズにはまっている。「想い出のフォーク&ポップス大全集」CD12枚のDISC1のトップを彼らの曲(解散後のソロ等を含めて)9曲で占めており、ついこれらの曲を聴いてしまうのだ。このCD集には、1960年代後半から70年代後半の、私らが少年期~青年期を過ごした頃の懐かしい名曲が鏤められており、1アーティスト当たりおおむね1曲~5曲の配分だ。小椋佳で3曲、荒井(松任谷ではない)由実で5曲だが、このグループは破格の取り扱い(9曲も!)がなされている。
1.帰ってきたヨッパライ・・・・・・・ザ・フォーク・クルセダーズ
2.悲しくてやりきれない・・・・・・・ザ・フォーク・クルセダーズ
3.青年は荒野をめざす・・・・・・・・ザ・フォーク・クルセダーズ
4.水虫の唄・・・・・・・・・・・・・ザ・ズートルビー
5.あの素晴らしい愛をもう一度・・・・加藤和彦と北山修
6.家をつくるなら・・・・・・・・・・加藤和彦
7.風・・・・・・・・・・・・・・・・はしだのりひことシューベルツ
8.花嫁・・・・・・・・・・・・・・・はしだのりひことクライマックス
9.さすらい人の子守唄・・・・・・・・はしだのりひことシューベルツ

今の若い世代には馴染みが薄いかもしれないが、「風」は最近のソフトバンクのCMで聞くことがあるし、「家をつくるなら」も以前CMに使われていたので、他のヒット曲も含め、多くの人には、メロディーを聞けば「あぁ、聞いたことがある」と思わせるはずだろう。
上記ヒット曲のほとんどが、作詞は北山修、作曲は加藤和彦か端田宣彦となっている。今になって、彼らの非凡な才能に驚かされている。ユーモアに満ち溢れた「帰ってきたヨッパライ」は別として、おおむね美しいメロディーの曲ばかりだ。「水虫の唄」も、題名だけ聞くとおふざけそうだが、実はととても美しい曲なのである。

1966カルテット~ビートルズクラシックス

2014.10.12

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(10)

高校生時代からビートルズマニア歴ウン十年の私だが、最近違ったテイストのビートルズにはまっている。「1966カルテット」という、クラシック楽器でビートルズを演奏するグループだ。1966というのは、ビートルズ初来日の1966年から来ているらしい。1966年よりはるか後に生まれたうら若き女性4人(全員細い!)は、第一バイオリン、第二バイオリン、チェロ及びピアノという編成だ。いわゆる弦楽四重奏とは若干違う。ビオラでなくピアノが入っているからこそ、バラエティーに富んだビートルズの数々の名曲が見事に奏でられる。
確かに、ビートルズには、主にポール作曲だが、「イエスタデイ」や「エリナー・リグビー」のような、ロック・グループとは思えないクラシック楽器が前面に出た代表作品があるが、1966カルテットは、これらのみならず全ての(ハードロック的なものも)曲をクラシック楽器で表現している。
ビートルズの音楽は、かつてのアナログレコード時代からCDすべて何回も聴いてきた。ポール・マッカートニーの来日コンサートも何回も行った(今年は残念だったが)。レイン、ファブフォー、レットイットビーといった外国のプロコピーバンドの来日コンサートも行った(もちろん、ライブハウスのようなところで日本人のコピーバンドの演奏も幾度も聴いた)。「ジョンレノンスーパーライブ」での日本の一流ミュージシャンの演奏も楽しんだ(今年はなぜか中止で、残念)。
でも、今度のようなクラシックテイストのビートルズの音楽は、改めていいものだと感じた。有線放送などでもストリングスのビートルズ(フィギュアスケートの高橋選手の演技の際にも使われていたようなものだ)は何度となく聴いたことがあるが、今回のナマのすばらしい演奏を聴いてCDを購入する気にまでなったのである。
彼女たちの演奏を聴いて、改めて「美しい」「名曲だ」と感じたのは、「イエスタデイ」と「ロング・アンド・ワインディング・ロード」。ポールの曲創りの才能は、ベートーベンやモーツァルトに匹敵するのではないかと感嘆してしまう。
〔ちなみに、1966カルテットは、ビートルズのみならずクィーンやマイケル・ジャクソンもカバーしており、CDも出ている。9月のコンサート後のサイン会のとき、メンバーに「ビートルズと並ぶとされるロック・グループのローリング・ストーンズはやらないんですか?」と問うてみた。彼女は「う~ん」と考えていた風だったが、ビートルズほどの「美しさ」に乏しいストーンズサウンド(いわゆる「カッコイイ」)はクラシック技法に馴染むかなぁ・・・と感じざるを得ない。〕

日本人の心を摑んでいる洋楽ナンバーワンは、やはりポール・マッカートニー

2014.08.30

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(9)

「サンデー毎日」8月31日号におもしろい記事が掲載されていた。読者1700人余のアンケート「人生で心に残っている音楽を邦楽、洋楽で1曲ずつ挙げてください」の結果だ。邦楽は前回号で発表されている(ちなみに、トップは、美空ひばりの『川の流れのように』)。今回の洋楽(クラシック音楽も含む)は、やはりというべきか、ビートルズのツートップ(『レット・イット・ビー』『イエスタデイ』)である。上に掲げた記事から、総合ランキング上位32曲の中でアーチスト別に、ランクイン曲数と総得票数を集計してみると、以下のようになる。

〈アーチスト別ランキング〉
①ビートルズ 5曲 106票
(ジョン・レノンの『イマジン』(4位:25票)も含めると6曲で131票)
5曲中、ポールとジョンの共作は『抱きしめたい』(21位:6票)のみで、『レット・イット・ビー』(1位:44票)、『イエスタデイ』(2位:39票)、『ヘイ・ジュード』(10位:12票)、『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』(26位:5票)の4曲ともポールの単独作曲・ソロボーカルである。4曲の総得票数はちょうど100票だ。
②カーペンターズ 2曲 36票
わずか2曲だが、どちらも『イエスタデイ・ワンス・モア』(6位:21票)、『トップ・オブ・ザ・ワールド』(8位:15票)と上位。
個人的には、『クロース・トゥ・ユー』が好きなのだが・・・。
③イーグルス 2曲 34票
日本で売れた、外国アーチストのレコード数では、ビートルズ、カーペンターズ、サイモン&ガーファンクルが御三家だということを聞いたことがあるが、サイモン&ガーファンクルを1票差で上回ったのがイーグルス。なにしろ特大ヒット曲『ホテル・カリフォルニア』がビートルズのツートップに続く第3位、29票を集めた。もう1曲は『デスペラード』(26位:5票)だ。
④サイモン&ガーファンクル 3曲 33票
私が中学生の頃、洋楽に目覚めて、ゼーガーとエバンスの『西暦2525年』やレターメンの『涙のくちづけ』の英語の歌詞を覚えたりしていたが、その後ハマッたのがこのサイモン&ガーファンクル。高校生のとき、少ない小遣いから彼らのLPレコードを買っていったものだ。(ビートルズに傾倒したのは、その後のこと)
3曲の内訳は、なんと言っても『明日に架ける橋』(7位:19票)、そして『サウンド・オブ・サイレンス』(17位:8票)、『コンドルは飛んで行く』(21位:6票)である。
個人的には、とても美しいメロディーとハーモニーの『スカボロー・フェア』がランクインしていないのは意外と感じた。
⑤ビリー・ジョエル 2曲 23票
『ストレンジャー』などのヒット曲が多数あるが、ランクインしたのは、『オネスティ』(8位:15票)と『素顔のままで』(17位:8票)であった。ビートルズの影響を受けたと思われるビリーのサウンドは日本人にも受けている。
個人的には、ノリがよくてカラオケでも歌いやすい『ガラスのニューヨーク(You May Be Right)』がお気に入り。
⑥ベートーベン 2曲 21票
ここでクラシック最高峰が登場。『交響曲第9番』(15位:9票・・・言わずと知れたあのダイク)より『交響曲第5番』(10位:12票・・・ジャジャジャジャーンの「運命」)が上位だったのは意外。

以上、総合ランキング上位32曲中、2曲以上ランクインしているアーチストについて述べた。
他の超有名アーチスト、フランク・シナトラ(『マイ・ウェイ』5位:24票)、マイケル・ジャクソン(『スリラー』10位:12票)、クイーン(『ボヘミアン・ラプソディ』15位:9票)、シカゴ(『素直になれなくて』26位:5票)、エルトン・ジョン(『ユア・ソング』26位:5票)と、「一発屋」でもないのに(多数ヒット曲があるにもかかわらず)ランクインは1曲だけであった。
クイーンの代表曲は『伝説のチャンピオン』『ウィ・ウィル・ロック・ユー』と思っていたのだが・・・。カラオケで洋楽リストを見ると、サイモン&ガーファンクルやカーペンターズは数十曲しか載っていないのに、クイーンはビートルズ並みに数百曲掲載されており、日本でのクイーンの人気は大変なものだと思っていただけに、わずか1曲しかランクインしていないとは・・・・。
 
〈なぜか選に漏れたアーチストたち〉
大ヒット曲があるにもかかわらず1曲もランクインしていない大物アーチストについて述べてみよう。もちろん、私の独断・偏見・趣向によるものである。
Ⅰ ローリング・ストーンズ
あれほど日本でのコンサートで何万人もの観客を集める人気グループなのだが、1曲もランクインしていないとは・・・。「人生で心に残る音楽」という観点では除外されてしまうのか。『サティスファクション』『黒くぬれ!』『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』などカッコイイ曲が多いが「心に残る」美しいメロディアスな曲というと・・・。『アンジー』でもイマイチかなぁ。
Ⅱ ビージーズ
『マサチューセッツ』などの初期のヒット曲、大ブームを起こしたディスコサウンド『ステイン・アライブ』『ナイト・フィーバー』などノリのいい曲はともかく、『ジョーク』『ホリデイ』『愛はきらめきの中に』などの美しい曲さえも選ばれず。
Ⅲ エルビス・プレスリー
『この胸のときめきを』くらい入っているかと思いきや、ゼロだった。今回のアンケート対象者は、40歳代~60歳代が中心で、プレスリー世代よりやや若いビートルズ世代だったためだろうか。
Ⅳ ポール・マッカートニー(ソロ)
ビートルズ時代に作った曲が圧倒的大勝利を収めているわりに、ソロ時代の曲は選ばれず。『マイ・ラブ』『バンド・オン・ラン』『心のラブ・ソング』など多数の全米ナンバーワンヒット曲があるものの、ビートルズ・ソロメンバーでは、ジョン・レノンの『イマジン』のみ、それも4位という上位ランクインである。まぁ、天才ポールといえども、ビートルズ解散後の20歳代終盤、30歳代以降は、若いときほどの溢れる才能がやや翳ったのかもしれない。確かに耳に残りやすい曲が多く、大ヒット曲連発の実績はあるのだが、『レット・イット・ビー』『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』のような荘重な名曲、『イエスタデイ』のような美しい名曲に肩を並べるほどの作品はできなかったようだ。
私見だが、ジョンの作った曲の中で、最もカッコイイ曲はビートルズ時代の『カム・トゥゲザー』、最も美しい曲はソロ時代の『ラブ』だと思っている。
Ⅴ ボブ・ディラン
名前は相当知られているのに、1曲もなし。海外で評価の高い『ライク・ア・ローリング・ストーン』も『風に吹かれて』も、一般日本人の心には残りにくいようだ。
Ⅵ ダリル・ホール&ジョン・オーツ
『キッス・オン・マイ・リスト』、『プライベート・アイズ』、『マンイーター』など全米ナンバーワンヒット曲を多く出しており、また、日本での人気も高かったわりには、ランクイン曲ゼロ。年代的にもファンがいてもよさそうなのだが?
Ⅶ アース・ウィンド・アンド・ファイア
『宇宙のファンタジー』、『セプテンバー』『ブギー・ワンダーランド』など、日本人にも馴染みの曲も多いし、全米R&Bナンバーワン曲を多数出しているが、ランクイン曲はなかった。このグループも、年代的には好きな日本人が多そうに思えるのだが・・・。
Ⅷ 1970年代に一世を風靡した「ニューロック」など
アンケート回答者の年齢層を見ると、私と同じ頃に青春時代を過ごした人が多いと思う。ビートルズやサイモン&ガーファンクルが解散した後の1970年代に、私たち青少年の間で流行した洋楽といえば「ニューロック」(今では「死語」か)だ。CBSソニーからはその頭文字どおり、シカゴ、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ、サンタナがヒット曲を出した。この中でシカゴはランクインしているものの、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズの『スピニング・ホイール』もサンタナの『ブラック・マジック・ウーマン』も選ばれなかった。
シカゴ以外の「ニューロック」では、総合部門でなく男性部門の下位にやっとレッド・ツェッペリンの『天国への階段』(私には『移民の歌』のほうが馴染む)がランクインしているくらいだ。私たちが少年時代聞いて感動したあのピンク・フロイドの『原子心母』も、クロスビー・スティルス・ナッシュ・アンド・ヤング(C ,S, N&Y 個人的には『キャリー・オン』が印象的)も、グランド・ファンク・レイルロード(個人的には『ハートブレイカー』がよかった)も無視されている感じだ。
「ニューロック」の範疇ではなさそうなフィフス・ディメンションの『輝く星座/レット・ザ・サンシャイン・イン』も、もうちょっと古いがアメリカでの評価は高いビーチ・ボーイズの『サーフィンUSA』も、ランク表で見当たらない。イギリスではビートルズ、ストーンズと並び称されるザ・フーも見当たらず。
古いと言えば、ポール・アンカもニール・セダカもなかったなぁ。
Ⅸ 女性アーチスト
女性ボーカルが中心のアバ、そしてソロのシンディ・ローパー、シーナ・イーストン、オリビア・ニュートン・ジョン、ホイットニー・ヒューストンなど名だたる女性アーチストが選ばれず、カレン・カーペンターの歌がメインのカーペンターズが目立つ程度で、あとはマヘリア・ジャクソン(『アメイジング・グレイス』17位:8票)など僅かである。

〈日本人好みの曲とは〉
ランキング表を眺めていて気づくのは、「日本人はピアノ曲に弱い」というのは本当かもしれないということだ。ポールの『レット・イット・ビー』(1位)、『ヘイ・ジュード』(10位)、『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』(26位)、ジョンの『イマジン』(4位)、カーペンターズの『イエスタデイ・ワンス・モア』(6位)、サイモンの『明日に架ける橋』(7位)、ビリーの『オネスティ』(8位)、シカゴの『素直になれなくて』(26位)、イーグルスの『デスペラード』(26位)、エルトン・ジョンの『ユア・ソング』(26位)は、どれもピアノ伴奏が基調だ(特にイントロ)。ビリー・ジョエルやエルトン・ジョンはピアノ・マンだから当然だろうし、カレン・カーペンターもピアノ伴奏の印象だ。しかし、基本はベースとギターだったポールとジョン、フォークのサイモン、ブラスのシカゴ、ロックのイーグルスがピアノ基調の曲にしたものが大ヒットし、日本人の心に長く残っているのである。

ポールも「人間」だった

2014.05.29

・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(8)

5月17日は、驚きと落胆の日であった。
わずか半年でPaul McCartneyが来てくれる!Rolling Stones 興奮冷めあらずの時に入って来たニュースに喜び、いつものようにチケット争奪戦に突入したものだ。
そして激戦の末、17・18日の国立競技場、そして途中から組まれた21日の武道館コンサートの3回分のチケットをなんとか獲得。17日・18日が土日というのもありがたいし、しかも取り壊し目前の国立競技場は行ったことないし、そもそも野外のコンサートでポールを聞くなんて初めてだ(いつも東京ドーム)。相当荒れた天候でない限り決行する予定だったが、両日とも天気は全く問題なしだった。なのに「ポール・マッカートニー本人の体調不良により本日は中止となりました」というアナウンスが鳴り響いたのだ。
17日(土)、通常どおり半日の診療を終え、わくわくしながら東京に向かう車の中で先発隊の知人からの携帯電話で中止を知った。耳を疑った。71歳とはいえ、あれほど健康に留意し(ポールは菜食主義者)、半年前のコンサートでも3時間近く40曲近い曲を一人で歌うほど元気だったポールが・・・。翌18日(日)は、行う予定だと。「たった1日で回復するのかなぁ」と心配しつつ、予約していた東京のホテルに宿泊。
18日(日)は、楽しみだった。やはり大激戦の「サウンド・チェック」のチケットを得ていたから。「サウンド・チェック」というのは、コンサート本番前のポール及びメンバーの音合わせの場所に居合わせることができ、本番には演奏しない曲も聴けるものらしい。コンサート開演よりも何時間も前に集まるように指示され、数百人程度が座れる大学の教室のような部屋に順番に誘導された。その前に、チケットに記載された氏名と持参した身分証明証との照合(ダフ屋などの介入防止だろう)があった。
さて、その大部屋だが、昨日ドタキャンされたお客もいて、かなりの人数だった。「今日こそは」とみんなが思って待っているも、いっこうに担当者らからアナウンスがない。私の後ろから「昨日と同じ雰囲気になってきたなぁ。」という声が。昨日ドタキャンされたファンだ。どこかの席からは「どうなっているのか」と担当者(スーツ姿の若い男性ばかり。←噂ではキョードーのバイトだとか)にいら立つ声も。情報のない若い担当者たちも困り顔。また、後ろのファンが話し合っている。「私たち、まるで「被害者友の会」のようになってきましたね。」「昨日は、コンサート中止を知って駅員に詰め寄る人がいたとか(笑)。」(混雑を未然に防ぐため、中止が決まると周辺の駅に連絡が行き、駅内でアナウンスされたらしい。18日も同様)
そこにいた数百人のポールファンは不思議な連帯感でつながっているようであった。見知らぬ人同士が話し合うのが不自然でない雰囲気なのである。
やがて、開演時間前1時間くらいになって中止の正式発表。ポールの代理人らしい白人女性が来て英語でポールの謝罪コメントを発表した。18日当日の中止のみならず、17日の分の振り替え予定の19日(月)も中止だと。ただし、21日(水)の武道館は行う予定らしい。その日の夕方、ブドーカンへの一縷の希望を持ってトボトボ群馬に帰って来た。
う~ん、2~3日で回復できるのかなぁ。まさか、48年前のときのビートルズと同様、11曲40分で終わりというつもりではないだろう。また、当日、開演時間直前に武道館で中止発表もあり得るなぁと思っていたら、今回は、前日の20日(火)午前に「はやばやと」中止発表、24日(土)の大阪公演も中止だと。ポールの病状は「ウイルス性炎症」としか発表されず、結構重いのではと危惧された。そもそも「ウイルス性炎症」なんて医学用語はあまり使わない。単なる風邪だって「ウイルス性炎症」の1つだ。ノロかヘルペスか・・・揣摩憶測が飛び交う。日本に来る前は中南米をコンサート・ツアーしていたから、そこでウイルス感染し、潜伏期間を経て日本で発症したのか・・・。世界最高水準の衛生と医療を誇る日本で世界一のスーパースターが感染症を発症するなんて・・・。世界の人たちはどう見ているのだろう。
後日のネット情報では、感染が元で腸捻転を起こし日本の病院で手術を受け、無事回復したところで、26日(月)、密かに離日したらしい。とっくに中止発表されていた28日の初の韓国コンサートにも鑑みれば、日韓のポールファンは、ともに落胆、意気消沈である(「ペットロス症候群」ならぬ「ポールロス症候群」?)。6月半ば~8月に、アメリカツアーがあるらしい。病み上がりで無理しない程度に復活する姿を見せることを期待しよう。そしてその後、今年の秋~来年、日本に来ることを祈念する次第である。

〔追記〕
ポールへの激励メッセ-ジの募集があったので、以下のメッセージを事務局に送った。まさかポールが読んでくれるとは思われないが・・・。

To dear Paul

Save us!
We all Japanese are suffering from
“ PAUL LOSS SYNDROME” !
The only treatment for this disease is
your complete recovery and
your promise of coming back soon to Japan !
We all have loved you and your music for 50 years !

(ちなみに、「Save us」というのは、新作アルバム「NEW」のオープニングの曲)

もう1人の「怪物」ミック・ジャガ-

2014.03.21

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・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(7)
〔ポールの後、すぐにストーンズが来てくれた!〕
Paul去り、次はStonesかな、でも1~2年先のことだろうと思っていたら、まさかの(Paul来日からわずか3か月で)来日。8年ぶり6度目の来日公演(『14オン・ファイアー ジャパン・ツアー』)である。
Mick Jaggerも御年70歳!これが最後の日本公演の可能性が大きいだけに「見納め」のつもりで東京ドームに行って来たが、観た後、これが「見納め」でないような気がした。
〔今回も見(魅)せてくれたミック・ジャガー〕
鋼(はがね)のような無駄肉のかけらもない引き締まった肉体と、相変わらずステージの端から端に駆けて行く若さ、そして全く衰えのない大声量の歌と、8年前観たときと何ら変わりがないのには驚いた。少々顔の皺(しわ)が増えたくらいか。これならあと5年はいけそう、ということは、数年後また日本に来てくれるのではないかと期待せざるを得ない。
実を言うと、昨年秋のポールの声を聞いたとき、さすがに往年に比べるとところどころかすれるのに気づいた。もちろん、70歳超えているのだから仕方ない。ポールの曲はキーの高い曲が多く、原キーにこだわっているポールの姿勢はすばらしいが、20歳代のときの声と比較するのは酷だろう。(実際、ビートルズのコーラスは、低音部をジョン、中音部をジョージ、高音部をポールが受け持つことが多かった(「ツイスト&シャウト」など)。ポールの代表曲の1つ「ゲットバック」などもカラオケで原曲で歌うとキーが高く結構難しいことに気づかされる。)
ミック・ジャガーの歌う曲は、実はキーがあまり高くなく、その点、年を取っても、往年と同じように歌いやすいというのもあるかもしれないが、それにしても、50年近く前とほとんど変わらない歌声なのは「怪物」に値する。3ステージとも歌った「ドゥーム・アンド・グルーム」は2012年発表の「新作」だが、70歳目前で作ったわりに激しいシャウトの曲で驚嘆してしまう。
〔キースは、ちょっと老いたかな?〕
ミックに比べ、「老いたな」と感じたのは、キース・リチャーズだ。若いときから麻薬でトラブルが多かったためか、容貌はかなりの老人に見える。ギターを弾く手には「ふしくれ」が目立った。若いときのようなギターテクニックが見せられなくなったのだろうか、「サティスファクション」「黒くぬれ」などの超代表曲以外のときは、メンバーでは「若手」のロン・ウッドのほうがよくリードギターを弾いていた印象だ。
〔チャーリーのスティックを取り損なった!〕
 ドラムのチャーリー・ワッツは、最年長72歳、ドラムさばきは健在だったと思うが、メンバー紹介で壇上に歩いてくる姿はさすがに好々爺風であった。初日の公演のTVニュースで、公演後インタビューを受けた小学生の男の子が「ご高齢の方々なのにみんなすごいと思いました」と答えていたのには笑ってしまった。
このチャーリー・ワッツに関して、私は「痛恨の失敗」をしてしまった。最後の公演の最後の曲「サテスファクション」の演奏が終わった後、チャーリーは、ファンサービスだろう、使っていたスティックをそれぞれ私らのいた客席に向かって放り投げてくれたのだ。ところが、私は、ミックやキースのほうに気がとられていて、そのことに気づかなかった。ふと私のちょうど足下に何やら棒きれのようなものが転がっていて「何でこんなものが???」と思っていたら、私の左隣の妻の更に左隣の中年男性が猛然と強引に妻越しに手を私の足下に伸ばして私が踏んでいたその棒きれを抜き取ろうとしたのだ。お人好しの私は踏んでいた足をゆるめてしまった。その直後、その棒きれがチャーリーの投げたスティックであることを知り、地団駄を踏んだものだ。妻もそれまではわからなかったから、その男性の右への動きを阻止できなかったようだ。
〔舞台仕掛けは意外とシンプルだった〕
以前のストーンズの東京ドーム公演では、超巨大の女性型人形(「ホンキー・トンク・ウィメン」の演奏で膨らませていた)とか、巨大なビルを模した建物とか、結構コストかけているなぁと感じたものだが、今回はそのような「大道具」は一切使わず、わりと低コストで行われたと思う。もちろん、「大道具」なくても、彼らのパフォーマンスがすばらしいので、以前の公演となんら遜色はないだろう。
〔最も印象に残ったのは「無情の世界」〕
3回ともアンコールでは、フィナーレの「サティスファクション」の前の「無情の世界(You Can’t Always Get What You Want)」が演奏された。この曲は、1969年発表のアルバム「レット・イット・ブリード」収録の最後の曲だが、合唱団つきのこの曲は、当時十歳代の私のお気に入りの1曲だった。シングルでヒットしたわけでもないが、その後ストーンズのコンサートの必須曲となった。(「レット・イット・ブリード」からは、他にも「ギミー・シェルター」「ミッドナイト・ランブラー」と併せて3曲もコンサート必須曲が生まれている。)
これまで何度もストーンズのコンサートを観てきたが、原曲どおりの合唱からスタートしたことはなかった。それが、若い男女がずらりと二手に分かれて登場。イントロのコーラスが始まって、観客は大喜び。彼らは、洗足学園音楽大学の在学生・卒業生を中心とした合唱団「洗足フレッシュマン・シンガーズ」とのこと。美しいコーラスで「無情の世界」を彩った。「世界のローリング・ストーンズ」と「共演」とは、彼らはなんとラッキーなのだろう。
〔布袋寅泰登場にびっくり〕
いや、もっとラッキーな日本人がいた。最後の公演の「リスペクタブル」で、「今夜はとびっきりのスペシャルゲストがいます」と日本語でミックから紹介され、「誰だろう?ミック・テイラーは毎回登場しているし」と思っていたら、なんと布袋寅泰だった。顔はともかく、背も高いし、ギターも歌もなかなか、堂々たるものであった。布袋は、共演後、今回のゲスト参加について「The Rolling Stonesと一緒にステージでプレイできるなんて、ミュージシャンとしてこれ以上の幸せはない。未だに夢の中にいるようだ。この至福の夢を叶えてくれたストーンズの皆さんに心から感謝している」とコメントを寄せているらしい。
〔ビートルズとストーンズの音楽の違い〕
最後に、私たち世代が熱狂するビートルズとストーンズの音楽の違いを短く述べる。ビートルズは、名曲や美しい曲を数多く残してくれた。ストーンズはどうだろう。ビートルズよりナンバーワンヒット曲はずっと少ないし、「イエスタデイ」や「ヘイジュード」のようにほぼ万人が知っているような曲もない。しかし、彼らの音楽は「魂を揺さぶる」のだ。音楽のROCKとは、もともと「揺する」という意味(「岩」ではない)。真のROCKという意味では、ビートルズよりストーンズに軍配が上がりそうだ。
〔後日談:私たちは幸運だった〕
日本公演の後、マカオと上海での公演を終え、オーストラリア公演が始まろうとするとき、とんでもない悲報がストーンズを襲った。ミックの恋人の女性が自殺したと。ミックのショックがあまりに大きく、オーストラリア、その後のニュージーランドの公演はすべて無限延期となったらしい。もし、この悲報が日本公演の前だったら、私たちはストーンズを観ることはできなかっただろう。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2月26日のセットリストは以下の通り。
Get Off Of My Cloud
It’s Only Rock ‘N’ Roll (But I Like It)
Tumbling Dice
Wild Horses
Emotional Rescue
Doom And Gloom
Bitch (Fan vote)
Honky Tonk Women
Band Introductions
Slipping Away (with Keith on lead vocals and Mick Taylor joining on guitar)
Before They Make Me Run (with Keith on lead vocals)
Midnight Rambler (with Mick Taylor)
Miss You
Paint It Black
Gimme Shelter
Start Me Up
Brown Sugar
Jumpin’ Jack Flash
Sympathy For The Devil
ENCORE
You Can’t Always Get What You Want
(I Can’t Get No) Satisfaction (with Mick Taylor)

3月4日のセットリストは以下の通り。
Start Me Up
You Got Me Rocking
It’s Only Rock ‘N’ Roll (But I Like It)
Tumbling Dice
Angie
Doom And Gloom
Silver Train (Fan vote – with Mick Taylor)
Honky Tonk Women
Band Introductions
Slipping Away (with Keith on lead vocals and Mick Taylor joining on guitar)
Happy (with Keith on lead vocals)
Midnight Rambler (with Mick Taylor)
Miss You
Paint It Black
Gimme Shelter
Jumpin’ Jack Flash
Sympathy For The Devil
Brown Sugar
ENCORE
You Can’t Always Get What You Want
(I Can’t Get No) Satisfaction (with Mick Taylor)

3月6日のセットリストは以下の通り。
Jumpin’ Jack Flash
You Got Me Rocking
It’s Only Rock ‘N’ Roll (But I Like It)
Tumbling Dice
Ruby Tuesday
Doom And Gloom
Respectable (Fan vote – with Tomoyasu Hotei)
Honky Tonk Women
Band Introductions
Slipping Away (with Keith on lead vocals and Mick Taylor joining on guitar)
Before They Make Me Run (with Keith on lead vocals)
Midnight Rambler (with Mick Taylor)
Miss You
Paint It Black
Gimme Shelter
Start Me Up
Sympathy For The Devil
Brown Sugar
ENCORE
You Can’t Always Get What You Want
(I Can’t Get No) Satisfaction (with Mick Taylor)

ポール・マッカートニーは、怪物だ(2)

2013.11.30

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(6)

延頚挙踵だったポール・マッカートニーの来日コンサート(Out There! japan tour)に行ってきた。前回の2002年来日(Driving japan tour)から11年、齢(よわい)71ということに鑑みれば、もうナマPaulを見られるのもこれが最後と思う人が多いためか、チケットを得る苦労は、前回よりはるかに大きかった。前回(2002年)も前々回(1993年THE NEW WORLD TOUR)のときも、東京ドームで計3回行われ、どちらも1回観に行ったものだが、今回は2回観た。そのうちの来日公演最終日は、幸運にもアリーナ席だった。
同コンサートで、私が観たのは、以下のとおりで、2回とも全く同じセットリストであった。(私の観ていない)他の日に、「Jet」や「I Saw Her Standing There」が演奏されたそうで、それらが聞けなかったのがちょっと残念。

① Eight Days A Week
② Save us〔新作アルバム「NEW」より〕
③ All My Loving
④ Listen To What The Man Said
⑤ Let Me Roll It/Foxy Lady (instrumental)
⑥ Paperback Writer
⑦ My Valentine
⑧ 1985
⑨ The Long And Winding Road
⑩ Maybe I'm Amazed
⑪ I've Just Seen A Face
⑫ We Can Work It Out
⑬ Another Day
⑭ And I Love Her
⑮ Blackbird
⑯ Here Today
⑰ NEW〔新作アルバム「NEW」より〕
⑱ Queenie Eye〔新作アルバム「NEW」より〕
⑲ Lady Madonna
⑳ All Together Now
21 Lovely Rita
22 Everybody Out There〔新作アルバム「NEW」より〕
23 Eleanor Rigby
24 Being for the Benefit of Mr. Kite!
25 Something
26 Ob-La-Di, Ob-La-Da
27 Band on the Run
28 Back in the U.S.S.R.
2 9Let It Be
30 Live And Let Die
31 Hey Jude

アンコール1回目
32 Day Tripper
33 Hi, Hi, Hi
34 Get Back

アンコール2回目:
35 Yesterday
36 Helter Skelter
37 Golden Slumbers / Carry That Weight / The End

全37曲、最後のメドレーを3曲とカウントするとなんと39曲も歌ってくれた!
午後7時過ぎから10時前後まで、2時間40分くらい、熱唱、熱演奏をしてくれたのである。(来年2014年2、3月に予定されている、8年ぶりのローリングストーンズの来日コンサート。こちらも楽しみだが、ストーンズのコンサートは約20曲しか演奏してくれない。1曲当たりの時間がビートルズやポールの曲より長めということもあり、コンサートの時間は、2時間近くはありそうだが、曲数だけでいうとポールの約半分というのがチト寂しい。)
最も古いのが1963年の「All My Loving」、最も新しいのが今年2013年リリースの新作「NEW」の4曲。すなわち50年、半世紀の幅もある。誰でも知っている大ヒット曲、名曲の数々、美しいバラードからハードロックまで、まさにポール・マッカートニーの真骨頂である。
このコンサートがすごいのは、ポール及びビートルズのヒット曲全集ではないことだ。ビートルズ時代の№1ヒット曲(英米どちらかのヒットチャート1位曲。以下同じ)でポールが主体で作ったもので今回演奏されなかったものとして
●Can't Buy Me Love
●Penny Lane
●Hello, Good Bye
と3曲もある。(ほかにYellow Submarine があるが、これは作曲はポールでもボーカルはリンゴなので除く)
 また、ビートルズ解散後のソロ時代(ウィングス時代も含む)でも、№1ヒット曲を量産したポールだが、そのうち今回演奏しなかったものとして
●Uncle Albert/Admiral Halsey(アンクル・アルバート~ハルセイ提督)
●My Love(マイ・ラヴ)
●Silly Love Songs(心のラヴ・ソング)
●Mull of Kintyre(夢の旅人)
●With a Little Luck(しあわせの予感)
●Coming Up(カミング・アップ)
●Pipes of Peace(パイプス・オブ・ピース)
◎Ebony and Ivory(エボニー・アンド・アイボニー)
←スティービー・ワンダーとの共演作品だが、作曲はポール
◎Say Say Say
←マイケル・ジャクソンとの共演作品。作曲もマイケルとの共作となっている。
最後の共演作2つを含めてなんと11曲もある№1ヒット曲から歌ってくれたのは、
Band on the RunとListen To What The Man Said(あの娘におせっかい)
の2曲だけだったのである。
要するにビートルズ時代のものも含めると、10曲以上もの№1ヒット曲を歌わないで済ませてしまったのだ。こんなミュージシャン、ほかにいるだろうか?
これまで№1ヒット曲に限定して述べたが、そうでない曲にも言及すると際限なくなる。ビートルズ時代でポールの作品とされるもので、有名だけど今回演奏されなかったものとして思い浮かぶのは、
○ミッシェル
○ドライヴ・マイ・カー
○ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア
○ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ
○サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
○マジカル・ミステリー・ツアー
○フール・オン・ザ・ヒル
○オー・ダーリン
などが挙げられる。
ソロ時代だと、以下の曲がヒット曲でありながら演奏されなかった。
○メアリーの子羊
○C・ムーン
○愛しのヘレン
○ジュニアズ・ファーム(他国では演奏。「NEW」の曲が入ったためはずされたようだ)
○幸せのノック
○グッドナイト・トゥナイト
○ワンダフル・クリスマスタイム
○ウォーターフォールズ

ポール・マッカートニーは、怪物だ(1)

2013.10.27

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(5)

11年ぶりにポールが来日する!前回の来日コンサートからなんと長かったことか。私は頸を長~くして待っていたものだ。
来日に先立って新作アルバム、その名も「NEW」が発売された。これまでも、(ソロで大ヒット連発の時期を過ぎて)やや老いて発表されるアルバムをときどき買って聞いてはみたが、「フレミングパイ」など、特段印象に残る曲はなく、やはり天才ポールでも、年取るとかつての名曲メーカーもその創作力は落魄(らくはく)の途を辿るのはやむをえないものだと達観していた。
ところが、今回の「NEW」は、かつてのビートルズ、ウィングス時代のサウンドとヴォイスを彷彿(ほうふつ)させるものがあった。先行シングルカット曲でタイトルソングの「New」もいい出来だが、オープニング曲の「Save Us」が秀逸だ。ほかにも、今回のツアーのタイトルソング「Everybody Out There」も、耳(心)に残存する曲である。
それにしても、御年70歳を過ぎて、この創作力、歌声、演奏・・・、ポール・マッカートニーは「怪物」だ。

〔日本で発売された新作アルバム「NEW」の収録曲〕
1.セイヴ・アス - Save Us
2.アリゲイター - Alligator
3.オン・マイ・ウェイ・トゥ・ワーク - On My Way to Work
4.クイーニー・アイ - Queenie Eye
5.アーリー・デイズ - Early Days
6.NEW - New
7.アプリシエイト - Appreciate
8.エヴリバディ・アウト・ゼアー - Everybody Out There
9.ホザンナ - Hosanna
10.アイ・キャン・ベット - I Can Bet
11.ルッキング・アット・ハー - Looking at Her
12.ロード - Road
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ホール&オーツとイーグルス

2011.05.30

・・・・・・・・・・・河辺啓二の音楽論(4)


〈大震災直前の楽しみごと〉

あの「3.11」以後、「それどころではない」生活、心理状態が続く。実は、大震災直前の、2月26日(土曜)にダリル・ホール&ジョン・オーツのコンサート(日本武道館)、3月6日(日曜)にイーグルスのコンサート(東京ドーム)を楽しんだ。その5日後にあのとてつもないことが起こるとは・・・。


〈ダリル・ホール&ジョン・オーツ〉

ホールは1948年生まれ、オーツは1949年生まれというから60歳代になっている。もともと、オーツのほうは、リードボーカル曲が少なく、存在感が小さく容姿的にも目立たなかったためか、昔とあまり変わってないように見えた。ホールのほうは、あの甲(かん)高い声はおおむね健在だったが、外見は、若い頃のリーゼント頭で細面のヤンチャなニイちゃんのイメージが激変し、ふくよかな顔したオジサンになっていた。

何もヒット曲=名曲とは限らないが、全米第1位の曲がいくつあるかが、大物アーチストかどうか見極めるいちおう客観的な指標だと考えてよいだろう。

彼らは、アルバムでこそ第1位がないが、シングルでは、なんと6曲もある。

以下に、それら有名曲を列記する。

1977年 Rich Girl
1981年 Kiss On My List
Private Eyes
I Can't Go For That (No Can Do)
1982年 Maneater
1984年 Out Of Touch

他にも第2位や第3位の曲もあるし、1985年にポール・ヤングがカバーして全米1位になった Everytime You Go Away は、彼らがオリジナルだ。

まぁ、彼らの全盛期は、1980年代前半だろう。当時役人時代前期だった私にとって、馴染みがあったのは、Kiss On My List、Private Eyes、Maneater の3曲で、その中でも最も好きなのはManeater であった。日本人全般的に言うと Private Eyes が最も親しまれている曲だろう(以前テレビCMで使われたことがあるからか)。

1980年以来これまで何度も来日してコンサートを行っているようだが、私が観たのは今回が初めてである。今回の武道館でのコンサートでは、往年のヒット曲のほとんどを披露してくれたが、トータル約100分(午後5時過ぎ~6時40分頃)とやや短い気がした。でも、聞きたい曲はすべて聴けたし、まぁ満足。


〈イーグルス〉

オリジナルメンバーのドン・ヘンリーは1947年生まれ、同じくグレン・フライは1948年生まれというから、こちらも60歳代になっている。解散期も含めると40年もやっているためか、シカゴのようにメンバーチェンジが頻回にある。しかし、メンバーの年齢幅の大きいシカゴと異なり、過去メンバーも現在のメンバーも、皆1946年~48年生まれと同年代に固めている。

こちらも、全米1位を見てみる。アルバムで5枚も、ベスト盤も含めると6枚もあるのには驚く。

1975年 『呪われた夜』
 One Of These Nights 
1976年 『ホテル・カリフォルニア』
 Hotel California
1979年 『ロング・ラン』 
The Long Run 
1994年 『ヘル・フリーゼズ・オーヴァー』
Hell Freezes Over 
  --- 再結成アルバム
2007年 『ロング・ロード・アウト・オブ・エデン』
 Long Road Out Of Eden 
1976年 『グレイテスト・ヒッツ 1971-1975』
Their Greatest Hits 1971-1975

シングルでの第1位は、以下の5曲で、その数ではホール&オーツと拮抗している。

1974年 The Best Of My Love 
1975年 One Of These Nights 
1976年 New Kid In Town 
1977年 Hotel California 
1979年 Heartache Tonight
 
日本人に馴染みの強いTake It Easy(あるテレビ番組で使用されていたようだ)は、最初のシングルヒット(1972年)だが、全米12位止まりであった。もっと意外なことは、Hotel Californiaに次ぐくらい親しまれる名曲Desperado「ならず者」(1973年の曲で、カーペンターズから平井堅に至るまで幅広いミュージシャンによってカバーされている)が、同タイトルアルバムが全米41位止まりで、更にはシングルカットされていないということである。ビートルズでいえば、リンゴがリードボーカルの凡庸なシングル盤 Act NaturallyのB面だったYesterdayを思い出す。

さて、震災5日前の3月6日のコンサートであるが、午後5時過ぎから始まり、6時過ぎにいったんブレイク。15分ほど経って再開し、終了したのは、8時過ぎであった。なんと3時間以上にも及ぶ長時間コンサートであった。日本人アーチストでは小椋佳やアリスで長時間コンサートを経験したことがあるが、外国人アーチストでこんな長いコンサートは初めてであった。サービス精神旺盛なポール・マッカートニーやローリング・ストーンズでも2時間強だったと思う。

彼らは60歳代とはいえ、歌声、演奏ともに、1970年代の全盛期とあまり変わらないものがあった。こんな大物グループの素晴らしいコンサートなのに、東京ドームの観客席が一杯になっていないことが残念だった。ポールやストーンズのときほど観客が多くなかった。私は行っていないが、ボン・ジョヴィでも東京ドームの席はお客で満杯だったとか。


〈震災後の大物アーチスト来日は?〉

イメージ的には、ホール&オーツより古いイーグルスだが、実は両グループとも同年代であった。前者が1980年代にヒットを連発したのに対し、後者は1970年代が全盛期だったからそういうイメージになってしまったようだ。というか、イーグルスもビートルズもストーンズもサイモン&ガーファンクルも、みな、名曲・ヒット曲を連発したのは20歳代であった。ところが、ホール&オーツは、結成こそ20歳くらいだったが、Kiss On My List以後の大ヒット曲量産態勢になったのは30歳を過ぎてからであった。

私は幸運であった。なぜなら、もし、あの震災がもう少し早く起きていたら、これらのコンサートは中止となっていたに違いないから。震災当日の3月11日に来日したシンディ・ローパーは、予定どおりコンサートを行い、会場で被災者支援の義援金を募った。彼女は日本での評価を上げた。

しかし、それ以後、有名外国ミュージシャンが来日したという話が聞かれない。「フクシマ」(東電福島第一原発からの放射線漏れのこと)が原因だろう。やっと9月にTOTOが来日するという話を聞いたところだ。

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