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新型コロナウイルスで中国の体制は変わるのか

2020.02.09

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・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(30)
〈新型ウイルスの衝撃〉
大変な事態になってきた。2002~2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)、2009年の新型インフルエンザの流行のときでも、これほど、マスク不足、アルコール消毒液不足で困ったことがあっただろうか。
感染源は、中国武漢市の「海鮮市場で売られていた野生動物」らしい。特にコウモリが疑われている。世界保健機関(WHO)の専門家は、コウモリが発生源となった可能性が高いとしている。そういえば、SARSとMERS(中東呼吸器症候群)のときも、コウモリが発生源と考えられ、どちらも人間が感染する前にハクビシンなどで広まったと考えられていたらしい。
1980年代、昔エイズ(HIV)が世界中を震撼させた際に、同性愛の性行為から発生した、同性愛という「不自然な行為」が神の摂理に反したためではないかという意見があったが、今回も(家畜動物でなく)野生動物を食べるという「不自然な行為」が神の怒りを買ってこのようなウイルスを発生させて人類を懲らしめているようにも思える。
〈武漢市当局-中国政府の重罪〉
そもそもは、発生源の中国武漢で初期対応が悪かったことが感染拡大の主因と言っても過言ではないだろう。せっかく真摯な医師(つい最近当該感染で死亡)が昨年末に新型コロナウイルスの感染拡大について警鐘を鳴らしていたのに、「デマ」と決めつけて処分してしまうという当局の体質が問題なのだ。今になって、中国政府は彼への哀悼、評価を示しているが、「何を今さら」と腹立たしい。中国国民も政府への批判を高めているが、当然だろう。今回のことを契機に、現在の「物言う者は潰される」という体制にメスを入れてもらいたい。国民に圧政を強いる秦王朝を倒す源流となった、紀元前209年の陳勝・呉広の乱とまでもいかないまでも・・・。
〈「超大国」となった中国〉
13億人という、日本の10倍以上の人口とレアメタルなど豊かな地下資源を武器に、経済力・軍事力ともに米国に次ぐ「超大国」になった中華人民共和国。共産党という一党独裁で、経済は貧富の差の大きい資本主義社会である。しかし、ノーベル賞受賞者は乏しく、中国の基本的人権確立に尽力した(要するに体制批判した)劉暁波の平和賞が目立つくらいだ。周囲のウイグル、チベットなど他民族を弾圧、支配し、そして巧妙に懐柔している。もともと内陸国家だったはずが、南シナ海ばかりか、尖閣諸島にまで領有権を主張し、拡大膨張する海洋国家とも言い表せるほどだ。ほかにも、海底資源のある北極海に勢力を伸ばしているし、人口や地下資源で経済的可能性の高いアフリカ諸国も掌中に入れようとしている。
〈WHOの忖度〉
その「公害」が露呈したのが、WHO(世界保健機関)のトップであるテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長の緊急事態宣言の遅れだ。エチオピア人の彼は、中国にまさに「忖度」して、徹頭徹尾中国を露骨に擁護している。中国のご機嫌を取って自国の国益を損なわないことのほうが世界の人々の健康より重要ということなのだろう。開いた口が塞がらない。
〈隣国と付き合うことの難しさ〉
中国と日本の関係は、韓国と日本のそれもだが、難しいものだ。何しろお隣さんで歴史的にも付き合いが長い。そもそも、われわれ一般人でも隣人とはトラブル(境界、騒音など)が起きやすいものだ。むしろ、遠く離れた人とのほうが―日本とヨーロッパの国々との関係のように―有効関係が保ちやすいものだ。2012年に中国で起きたクレイジーな破壊行為満載の反日運動が思い出される。しかしながら、ここ何年か上海や北京を旅行して思うのは、(韓国人もそうだが)中国人そのものの人柄は、日本人とあまり変わらない、別にフツーなんだなぁということ。いつも痛感するのは「どこの国の人もいい人と悪い人の比率は変わらない」・・・日本人でも変な奴もいるしなぁ・・・。とはいえ、中国も韓国も、あまりにも日本を悪者にする教育は勘弁してほしいものだ。(現在、ベストセラー「反日種族主義」を読んでいるところ)
〈予防は免疫力維持向上しかないか〉
 さて、日本での感染拡大は依然とどまる気配がない。治療薬やワクチンの開発実用化は当分先の話だろう。マスク、手洗い等の自衛策は、TV等で随分喧伝してくれている。そのせいか、今年のインフルエンザの患者が例年よりかなり減少している。新型コロナウイルスもインフルエンザも予防策は同じだろう。手洗い等は、ウイルスが体内に入らないようにするためだが、仮に入ったとしても、抵抗力―免疫力が強ければ、当該ウイルスを退治できる。風邪もインフルエンザも殆ど罹ったことがないという人がいるが、こういう人はとても免疫力が強い身体を有している。高齢者や糖尿病等の持病がある人が新型コロナウイルス感染で肺炎を起こし重症化しやすいと報道されている。要は、免疫力の強さが勝負となる(一般的に糖尿病患者は免疫力が弱く感染症に罹りやすい傾向があるのは確かだ)。したがって、ありきたりな方法だが、免疫力を維持向上させるため、以下のことに留意しなければならない。
❶栄養バランスのとれた食事
糖質・脂質・蛋白質・ミネラル・ビタミンなどの栄養を偏らずバランスよく摂ること。
ちなみに、私は、納豆、ヨーグルト、亜麻仁油、オリーブ油は毎日摂取し、トマト、玉ねぎ、キャベツ、キノコ類、海藻類、生姜、ニンニク、果物など「健康によさそうな」食材を努めて摂るようにしている。
❷適度な運動の習慣
 過度な運動は身体を傷つける可能性があり、アスリートでない中高年は、ウォーキングなど適度な運動習慣が重要。
❸休養不足、睡眠不足にならないこと
 ある研究では、睡眠7時間の人が最も長寿だとか。ただ、個人差(個体差)があるので、一概には7時間がベストとは言えない。レム睡眠・ノンレム睡眠の周期が1.5時間とすれば、1.5時間×4~5と考えると、6時間~7.5時間くらいがいいのかなぁ。
❹規則的な生活習慣
 概日リズム(サーカディアンリズム)―体内時計が生命活動にあることを踏まえれば、不規則な生活が身体に悪影響することは明らか。就寝時間、起床時間、食事の時間など概ね一定にするほうが免疫力維持に資するだろう。
❺メンタリティーの安定
精神状態と身体状態は不可分であることは明白であり、強い精神的ストレスは免疫力を弱体化するだろう。現に、ガン細胞を攻撃してくれるNK(ナチュラルキラー)細胞がメンタルストレスで減弱することが証明されているらしい。
まぁ、要するに、生活習慣病の予防・治療のための方法と同一と考えていいだろう。(もちろん、「タバコはゼロ、アルコールは適量」は言うまでもない)