2018.09.29
・・・・・・・・・・・・・・・・・河辺啓二の医療論(27)
私の診療所では、ほぼ毎日、小児の予防接種を行っている。ところが、つい最近困った事態が生じた。当院で接種しているA社のB型肝炎ワクチンが供給できなくなったと。その理由は、熊本地震で製造棟が被害を受け、新製造棟が安定的に製造・供給開始できるまで半年もかかるということであった。
現在認められているB型肝炎ワクチンはこのA社のものとM社のものがあるが、M社のものはこれまで納入実績のある医療機関しか売ってくれないという。
行政側のスタンスは、A社・M社のワクチンを合わせたB型肝炎ワクチン全体としては安定的供給が可能だと。
B型肝炎ワクチンは、1歳に至るまで(標準的には生後2か月~9か月)の間、公費で接種することになっている。今の状態では、当院のようにA社のワクチンだけを納入していた医療機関では今後半年間は接種できなくなる。当該ワクチンの公費接種期間は短く、この間を逃すと高額な自費負担となり、不公平感が否めない。
以上のことから、行政に次のことを求めたい。
①M社に、納入実績のない医療機関にも当該ワクチンを売るよう行政指導する
又は
②公費期間に受けられなかった小児に、1歳後も公費で受けられるよう救済措置(日本脳炎ワクチンで行っている)を講じる