ファイル 188-1.jpg
ファイル 188-2.jpg
ファイル 188-3.jpg
・・・・・・・・・・・・・・・・・河辺啓二のTVドラマ論(13)
2016.01.03付けブログで絶賛した「コウノドリが戻って来た。やはり毎週観てしまった。今回も秀作だった。特に終盤の2回は、出産前診断とダウン症がテーマで、非常に考えさせられ、また胸を打つものであった。出産前診断でダウン症と判明した2組の夫婦が登場した。1組の夫婦は中絶した。もう1組の夫婦は、さんざん悩んだ挙げ句、中絶手術直前に奥さんが決心を翻し、中絶中止、産むこととなった。
このドラマのリアリティーの凄さには毎回感心しているが、今回も本物のダウン症のお子さんが多数「出演」していた。もちろん、お馴染みの出産シーンも本物の新生児が多数「出演」しており、いつもの感動を与えてくれたものだ。
リアリティーといえば、出演する役者陣が、綾野剛(産科医役)、星野源(同)、吉田羊(助産師役)、江口のりこ(ソーシャルワーカー役)など、決して美男美女でない(ファンの方には失礼!)ことが非常に現実的。医師やスタッフが美男美女ばかりの病院なんてあるわけないし・・・。
こんな素晴らしい医療ドラマなのに、視聴率が、あのあまりに非現実的な「ドクターX」(平均視聴率20%強、最終回25.3%)の半分の約12%とは・・・。日本人というのは、リアリティーのある医療ドラマより、消化器外科も心臓外科も脳外科も整形外科も、更に獣医までやる、とんでもない空想物語の非現実的な医療ドラマのほうが好きらしい。
〔2016.01.03付けブログでも紹介した岡井崇先生が、12月21日に肺ガンで逝去された。男性の平均寿命より約10歳も若い70歳だった。出産事故で脳性麻痺になった子どもに補償金を支払い、原因分析や再発防止策の検討も行う「産科医療補償制度」の創設に尽力されるなど、我が国産婦人科医療の牽引役だった。産科医療の抱える問題を広く認識してもらおうと計3作の小説(「ノーフォールト」「デザイナーベイビー」など)を発表されている。合掌〕