2012.01.07
・・・・・・・・河辺啓二の教育論(4)
高校時代、古代や中世に比べ重要なはずの近現代史について十分授業で教わらなかったという社会人の方が多くいるのではないだろうか。
古代や中世の歴史も、「教養」として必要なものであるとは思うが、現代に生きる私たちは「なぜ今このような国際社会、日本社会なのか」(たとえば、なぜ今でも中国や韓国で「反日」感情が繰り返し高まるのか、など)ということを理解するため近現代史をしっかり学んでおくことがとても重要である。
外国との繋がりが少ない江戸時代までと幕末・明治維新以後とでは世界の動向と日本の歩みとの関係の強さが桁違いに異なる。世界史の表舞台に19世紀終盤以降、日本が登場してきたこと、そしてその後の急速なグローバライゼーションに鑑みれば、近現代史を日本史と世界史に区分して学習する妥当性が乏しくなっている。そこで、現行の日本史・世界史とは別に「近現代史」という科目を設置して、世界から観た日本の近現代の歩みを学習することが適当ではないだろうか。
現在高校で行われている歴史教育の多くが「ゆとり教育」と大学受験に歪められ、まともに歴史を学ばないで卒業してしまう若者が多数いる。日本の将来を担う若者達全員に「近現代史」を学ばせるよう、(「世界史」の代わりに)「近現代史」を履修必修科目にしてほしいと思う。