・・・・・・・・・・・・・東日本大震災(6)
今回の福島第一原発事故は、科学を過信し、便利・快適な生活を追求し過ぎてきた私たち現代日本人への警鐘とも受け取れます。
もちろん、「想定外」の言い訳を連発してきた政府や東京電力の大罪は見逃せませんが、私たち国民も、あまりに「電気に依存し過ぎる生活」をしていたことを認識しなければなりません。一般家庭においては、過度の照明やパソコンの点けっぱなしも注意しなければなりませんが、やはり最大の「節電源」となるのは冷暖房であるに違いありません。
私の年齢以上の世代では、幼少期、冷暖房などという贅沢なものはなく、夏は、団扇を扇ぎ、電化製品としてはせいぜい扇風機があったくらいなものです。冬は、火鉢や炭火の行火(あんか)で寒さを凌ぎました。ときには風邪をひいたものです(逆にこのことで免疫が強くなり病気しにくい身体になったとも言えます)。
ところが、最近の若い世代の人たちは、ちょっと暑ければすぐエアコン冷房、ちょっと寒ければすぐエアコン暖房のスイッチを入れます。ヒトは(病気のときは除いて)少々の環境の変化に順応できるようにできています。このような微少の環境変化に耐えないような習慣を付けてしまった若い世代の人たちの身体は、弱くなり逞しさが欠けてきているような気がしてなりません。
暑さに我慢し過ぎて熱中症になったり、寒さに耐えすぎて肺炎になったりしては困りますが、軽度の暑さ・.寒さには慣れていくようにしてはどうでしょうか。
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上記の内容を4月10日(日)に読売新聞「気流」に投稿したところ、12日(火)に同紙担当者から電話があり原稿修正の確認がありました。それから1週間掲載されなかったので「今回はボツかな」と諦めていたところ、20日(水)に、同欄に掲載されました。