・・・・・・・・・河辺啓二の政治・行政論(9)
10月9日(土曜)夜に読売新聞「気流」に下の文章をメール投稿したところ、10・11日の連休明けの12日(火曜)昼に「気流」の担当者から電話がかかった。電話で修正文を読み上げられ、了解を求められた。やや原案よりトーンダウンした印象は拭い得ず、「私の原案は少々過激だったかなぁ・・・」と思うも、載せていただけるならと二つ返事で了解したものである。私としては「粛々」を残してほしかったのだが・・・。
やはり新聞という「公器」である以上、小さな投稿でも発行元である新聞社の意向や姿勢が反映されたものでなければならないのであろう。
〔実際の掲載投稿は上のとおりです〕
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ノルウェーのノーベル賞委員会は、2010年のノーベル平和賞を、「人権闘争の象徴」として、中国で服役中の民主活動家・劉暁波氏に授与することを発表した。尖閣事件でモヤモヤしていた日本人の中には拍手を送った方も多いのではないだろうか。
中国の外務次官が同委員会に劉氏に授与しないよう圧力をかけたにもかかわらず、同委員会は、まさに「粛々と」予定どおり同氏への授与を公表した。中国政府は、当然の如く猛反発し、受賞の模様を伝える外国テレビ放送の放映を中断させるという、我が国では考えられないような異様な弾圧まで行った。
ノルウェーのノーベル賞委員会は、同国政府とは独立した組織とはいえ、「ノルウェーと中国の関係に否定的な結果をもたらす」という中国政府の脅しに屈せず、ノルウェーの経済的国益損失の可能性をも勘案しながらも、ノーベル平和賞の趣旨を踏まえて授与を決定した姿勢は素晴らしいと思う。
それに比べ、かの尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に係る、検察をも巻き込んだ、一連の我が国の弱腰外交政策の情けなさである。口先だけの「粛々」は勘弁してほしい。今回のノーベル賞委員会の態度こそが本当の「粛々」ではないか。
経済は自由主義で政治は(一党)「独裁」制の「ねじれ大国」の隣人国家とのお付き合いは、確かに難しいとは思うが、我が国政府は、今回のノーベル賞委員会の姿勢を一つの手本としてほしいものだ。