大谷か、ジャッジか
・・・・・・・・・・・・・河辺啓二のスポーツ論(9)
大リーグ終盤となり、大谷とジャッジとのMVP争いを巡って議論が白熱化してきた。ジャッジの大リーグ新記録本塁打数+三冠王となれば、さすがの大谷も苦戦となる。昨年MVP取ったから今年はいいでないかという雰囲気もマイナス要因となる。
しかしながら、日本人としては大谷を応援するのは当然のこと。昨年より本塁打数は少ないが、投手成績はかなりよい。
昨年、テレビ等の報道で大谷の活躍を見て、コロナ禍で鬱屈した心が少しでも霽(は)れた日本人は私も含め何万人もいたに違いない。今年もコロナ禍、ウクライナ戦争等暗いニュースが多い中、日本プロ野球の佐々木朗希、村上宗隆といった若い選手達のめざましい活躍も明るい気持ちにさせてはくれるが、やはり世界一の野球本場アメリカでの大谷翔平の活躍には目が離せない。
大谷かジャッジか。私個人の考えでは、投手の勝利数は本塁打のおおむね2倍の「価値」があると思う。参考までに日本の記録を調べてみた。
通算本塁打数日本記録ベスト5は
- 王貞治 868本
- 野村克也 657本
- 門田博光 567本
- 山本浩二 536本
- 清原和博 525本
通算勝利数日本記録ベスト5は
- 金田正一 400
- 米田哲也 350
- 小山正明 320
- 鈴木啓示 317
- 別所毅彦 310
本塁打数より勝利数×2のほうが大きいように見えるが、これは、昔の投高打低の活躍した往年の名投手がランキング入りしているからである。2000年~21年のタイトル獲得選手の数字をみると、
本塁打王 セ・リーグ・・・31本~60本(だいたい40本前後)
パ・リーグ・・・27本~55本(30本台、40本台が多い)
最多勝利 セ・リーグ・・・13勝~20勝(20勝は1人だけ、ほとんどが15勝前後)
パ・リーグ・・・11勝~24勝(24勝の田中将大を含めて20勝以上は3人)
シーズン単位で考えて、ここ数十年は打高投低傾向であり、本塁打王は30本台~40本台、最多勝利投手は15勝前後であるから、(勝利数×2)の価値は、(本塁打数)の価値と同等以上という気がする。
したがって、9月22日現在、
ジャッジ=60
大谷=34+13×2=60
と全くの互角(か大谷がやや上)の戦いなのである。