大谷は3年連続MVPだったはず
・・・・・・・・・・・・・河辺啓二のスポーツ論(11)
今年も、その超人的活躍で私たち日本人を元気づけてくれていた大谷のシーズンが、故障のために早く終わってしまった。とても残念ではあるが、アスリートに怪我・故障はつきものだし、彼ほどの人間離れしたパフォーマンスを続けていたら避けられないことなのだろう。
シーズン離脱前までは、50HRやMVPは確実のように思えていたが、本塁打数はストップとなり、本塁打王も他の打者の猛追で僅かながら心配になってきた。
ここで、この3年間の成績の概要を示す。
2021年 〔打者〕本塁打「46」 打点「100」 打率.257 盗塁「26」
〔投手〕 9勝2敗 防御率3.18 奪三振156
2022年 〔打者〕本塁打34 打点95 打率.273 盗塁11
〔投手〕 「15」勝9敗 防御率「2.33」 奪三振「219」
2023年 〔打者〕本塁打44 打点95 打率「.304」盗塁20
〔投手〕 10勝5敗 防御率3.14 奪三振167
こう振り返ってみると、昨年の素晴らしい投手成績からして、なんで昨年MVP取れなかったのだろう、ジャッジがあんなにも本塁打を打たなければ・・・と思ってしまう。大リーグでのキャリアハイの成績に「 」を付けてみた。すると、今年は、21年・22年より20試合ほど出場が少ないため、打率以外はキャリアハイが達成できなかった。それにしても、一時は三冠王の声があったほど、3割打者の少ない大リーグにあって.304の打率は素晴らしい。大リーグで2割5分台→2割7分台→3割台という打者としての確実性の成長ぶりはまさに「世界の大打者」であることは明白だ。
このまま、「10勝投手+3割打者+本塁打王」でシーズンが終了すれば、やはりMVPは当確だろう。1試合3本塁打なんて、ジャッジよやめてくれ~。
大谷選手は、手術後2024年は打者のみで、2025年からは二刀流で登場してくれるらしい。2度目の手術だけに、術後果たしてこれまでのようなパフォーマンスを披露してくれるだろうか。彼は今年29歳、2025年は31歳になる。一般的に野球選手、特に打者より選手寿命の短い投手は20歳代後半がピークのことが多い。31歳になった大谷に、昨年や今年のような投手としての活躍を期待することは少しむごいことかもしれないと感じるものである。
繰り返しになるが、(ジャッジの爆発的本塁打量産さえなければ)20歳代後半の21年・22年・23年に二刀流で3年連続MVPになって大リーグ史のレジェンドになるはずだったのだ・・・。